平成31年4月3日開催

更新日:2019年04月04日

市長の定例記者会見を行いました。

発表事項

平成30年7月西日本豪雨災害から学ぶVR用防災体験・訓練ソフトの完成

配付資料

会見録

[ ]は注釈を加えたものです。

1発表事項

市長)それでは、「平成30年7月西日本豪雨災害から学ぶVR用防災体験・訓練ソフトの完成」について発表いたします。このソフトの名称ですが、「避難体験VR『土砂災害』 ~平成30年7月西日本豪雨災害から学ぶ~」という名称であります。概要ですが、本市の消防局と広島大学との共同研究によりまして、消防局の災害対応力と広島大学の災害関連研究とを活用いたしまして、災害体験・訓練用バーチャルリアリティー、仮想現実ソフトを作成いたしました。豪雨による土砂災害を対象とした、大学と自治体との共同研究としては日本初となる災害体験VRであります。
土砂災害発生時に起こり得る事象をVRで体験することで、梅雨時期や台風シーズン等において、災害発生前の市民の早期避難を図るとともに、自主防災組織をはじめとした地域防災力の強化を目指すものであります。内容ですが、土砂災害の発生前から災害発生に至るまでの気象状況及び住宅付近の変化につきまして、豪雨災害の被災者からのヒアリングを基に、平成30年7月6日の発災当日の状況を再現し、避難のタイミング等について体験・学習することができます。このヒアリングにあたりましては、多大なご協力をいただいた被災者の皆さんに、感謝を申し上げているところです。
今後の展開ですが、今日から、本市の消防局防災センターで、体験が可能となります。広島大学防災・減災研究センターでも体験できるように、現在準備中です。それから、中学校・高校等への出前講座、各地にあります自主防災組織や、各地域の避難訓練への出張等も考えておりまして、今月中には、今回死亡も発生した学区であります向陽中学校、これを4月22日に、それから河内中学校では、4月24日に実施の予定としております。
その他ですが、このVR体験の対象は、機器の仕様上、中学生以上に限定させていただいているところです。それから、ソフト開発にあたりまして、ご協力いただきましたのは、株式会社理経という会社でありまして、実はすでに防災センターに設置している火災からの避難体験VRを作成していただきました、システムソリューション企業となっております。このソフトについては、株式会社理経から一般販売の予定がされているところです。

それでは、実際に防災体験訓練ソフトのVR映像をまず皆さんにご覧いただきたいと思います。

(視聴)

進行)続きまして、土田先生から今回の共同研究について、ご説明をお願いいたします。
土田)簡単に、特徴と開発の経緯について説明します。土砂災害避難体験VRを市民向けに作成したいという提案が東広島市消防局からあり、広島大学として共同でやりましょうということで昨年の年度初めにスタートしました。その前に、そもそも土砂災害の避難体験VRですが、VRというのは災害に際して非常に厳しい判断を迫られるという状況を疑似体験していただくということと、ではどういう状況を豪雨災害の場合に設定すればよいのかということが、これまでに例がなかったことなので、メンバーで相当議論を行いました。その結果、自宅にいる被験者が家の外の様子を見たり、あるいはさまざまな防災情報を受け取る中で、災害の危険が高まってきて、避難の判断を迫られるという状況を体験していただくという方向が定まりました。この作業は昨年の6月から始まり、したがって、当初はこのギリギリの体験というのを、5年前の広島土砂災害で被災された方にお話しをうかがって、シナリオの参考にしてはどうかという話をしていました。しかし、7月6、7日に西日本豪雨災害が発生し、東広島市内でも多くの被害が発生し、被災されたということが起こりましたので、もし体験を聞かせてもらうことが可能であれば、この直近の災害で被災された方からお話を伺って、シナリオを作成するということにしました。その結果、協力をしていただける方がいらっしゃったので、ヒアリングを実施して、どういう状況で被災されたのかというお話を伺いました。まったくそのまま忠実にというわけではありませんが、限られた時間であまり複雑な状況でもいけないということで、あくまでも訓練用のVRですので、そのお話を元に、ある程度単純なシナリオにして作成をしてきました。
今後ですが、まだ開発に携わった者、市の関係者に体験してもらっていったという状況で、今後こういうものは広くさまざまな、学校の若い世代の方や高齢の方であるとかに体験していただき、その感想をお聞きして、現状のVRの課題等を明らかにしていくと。場合によっては少し修正していくということが必要になっていくと思っています。これらの結果を、土砂災害の避難行動のためのVRとしては初めてのものだと思うので、これを学会等で発表していきたいと考えております。最後に、先ほど市長からもお話しがありましたが、被害にあわれた直後で、大変困難な状況であったにも関わらず、ヒアリングにご協力をいただいた方々に心より感謝申し上げます。

2質疑応答

記者)土田先生もおっしゃっていましたが、もともと西日本豪雨の発生前から、こういった東広島市と広島大学で共同の開発を進めていたのでしょうか。
土田)東広島市と広島大学では共同では研究を行うという制度があり、このテーマだけではなくいくつかが動いており、全部で5本ですが、そのうちのひとつとして東広島市でこういう課題があるので、広島大学と一緒にやらないかという話をいただいものです。東広島市の方でどういうことでこれを選択されたのかは。
市長)昨年度から広島大学と本市の課題あるいは広島大学のもっているさまざまなシーズがこの地域の産業等と結びつくという視点から、シーズ型とニーズ型の共同研究を進めてきました。市の課題が5本、それから大学からの提供が4本ということで、これも少しみなさまにご紹介したと思います。その一環として、消防局の課題として、いかにこれまで災害においては避難行動に結びつけることが重要だという認識を当然我々も持っていたので、過去広島の災害でもさまざまな緊迫した事実というか、体験談というか、そういうものも発表されていますし、そういうものをうまく活用して、バーチャルリアリティの映像でもって、住民の方に見ていただくあるいは子供たちに見ていただければ、避難行動にも結び付くのではないかというような想定でこの提案をしました。まさか災害が起きるということは念頭になかったんですが、先ほど土田先生からもありましたが、6月このような感じで作っていったらどうかという議論をしている最中に、災害が発生したと。残念ながら、避難行動に結びつかなくて本市においても多くの方の人命を失うということになったのですが、このVRを今後さまざまな形で活用しながら、避難行動にどう結びつけていただけるのか、ということで啓発活動を盛り上げていきたいと思っているところです。
記者)先ほど流した映像のもとになった被災者からのヒアリングだが、市内の方からのヒアリングでしょうか。
土田)ヒアリングについては、私がその日都合があって橋本先生にヒアリングをしていただきました。あと、東広島市消防局の方と。お手元の資料に写真が載っているかと思います。ヒアリングの様子が載っていますが、こういう状況でヒアリングをしたということです。
記者)お伺いしたかったのが、どのエリアの方で、何名くらいの方にどのような形でお聞きになったのかということを知りたかった。
土田)橋本先生よろしいでしょうか。
橋本)詳細な住所等は控えさせていただきますが、東広島市消防局管内の方で、消防局の方から紹介をいただけるということで、ヒアリングをしました。人数は、2か所の方にお話しをうかがったのですが、それぞれ3名ずつ、計6名ということになります。
記者)細かいことを聞いて申し訳ないが、2世帯という理解でしょうか。
橋本)片方は2世帯3名、もうひとつのサイドの方は、3世帯3名でした。
記者)管内ということで、竹原・大崎上島も入るということでしょうか。
橋本)はい、そういうことです。
記者)東広島だけではないという理解でよいですか。
橋本)そうです。
記者)消防局防災センターでの体験というのは、どのように体験できるのか、その場に行ってなのか、予約制なのか。
担当課)消防局の防災センターですが、VRにつきましてはあらかじめご連絡をいただき、体験していただける形をとっています。先ほどのように、一人がゴーグルをつけて、スクリーンで見ることができますので、複数人で疑似体験できるという状況をとっています。
記者)消防局に、予約をして、無料で体験できるということですか。
担当課)そうです。
記者)土砂災害の避難体験VRがさきほど初という話がありましたが、実際に調べたというか、そういう形なのでしょうか。
土田)いろいろなツールで調べまして、まずは他に例がないということでスタートしましたが、私もよく把握していませんが、この3月に神戸市が土砂災害のバーチャルリアリティーというのを作成したということで3月の中旬に発表されています。その発表では確かに土砂が街の中や道路の上を流れていくような絵が紹介されているが、具体的にどういう状況を想定されたVRなのかはまだ把握していません。もしかしたらそちらも、避難の判断をどうするかというVRになっているのかもしれませんが、比較してみないとわかりません。作ったはじめは他に例がないという意味ではこれは初めてのVRではないかなと思っています。
また、火災のような災害の時にはどうやって逃げるかというVRですと、火災が見えている段階で、どうやってその中から落ち着いて行動して逃げられるか、というテーマのVRが多いですが、おそらく我々の議論の中では、実際に被災を体験された方の話もそうだが、土砂災害の場合は、土砂が見えている段階からさあどうするかという状況ではなくて、むしろ、さまざまな雨の情報であるとかその前の段階でいかに正しく避難の判断ができるかという点に焦点をあてたVRの方がより重要ではないかというコンセプトで行っていますので、そこは大きな特徴であると思っています。
記者)完成したソフトを見られての感想をうかがえますか。
市長)災害時には刻々と周辺状況が変化していくわけです。そういう中で、気象予報等も出てくる。その後にどういうような変化が起こるのか、ということが、まさにこのバーチャルリアリティーの中では表れているわけです。したがって、事前の情報を聞きつつ、自らの行動をどうとっていくのか、という意味からしますと、大変良い啓発VRになっていると思うんですね。今後我々のテーマはいかにみなさん方に避難をしていただくのかということを、これからも自主防災組織等を通じて啓発活動をしていこうと思っているんですけれども、有用なビデオになっているなというのが、私の率直な感想です。
土田)残念ながら私は直接ヒアリングの場に行けなかったのですが、あとで体験した方のお話を聞いて、やはり、リアリティーといいますか、体験した人でなければわからないようなことがあるなと。それが、全部ではないですが、例えば、多くの人が情報がないわけではなくて、いろいろな情報を得つつ、判断がちょっと遅れるとか、避難所に行く前にシャワーを浴びようと思って遅れてしまうことや、土砂が襲ってきて、2階のベランダ側でどうにか助かった映像になっていましたが、2階に逃げるときは靴をもっていった方がよいなど、体験しないとわからないような、そういったことが盛り込まれているという点で、説得力があるというか、体験した方の次の行動に結びつくものなっているのではないかなと思っています。
記者)体験した人でなければわからないこと、という部分について、今回のヒアリングをもとに、どういった内容を活かしたのか伺おうと思ったのですが。
土田)橋本先生の方からお願いします。
橋本)今回、シナリオを作成するにあたり、体験した方に、これは自分の身の回りにも、起こりうることだなということを身に迫って感じていただくということが重要だと思っています。そういう意味で、まず家の置かれている環境、今回ヒアリングした方のお宅で言いますと、川が近くにあって、家の裏には山がすぐ差し迫っているというような、そういう東広島市だけでなく広島県内全体で、自分の身の回りの環境として感じられるような状況をまずセットする、ということと、実際に被害にあわれた方の体験としては、土砂災害が来るときに、例えばどのタイミングで警報が来て、その後、どのタイミングで土砂の匂いとかを感じて、どのタイミングで土石流が流れて実際に家に被害があったかという、基本的な事象の経緯を参考にさせていただきました。そして、どのような行動をとって、ご自身の人命としての被害を免れたのか。例えば、山側ではなくて道路側の部屋に避難されたとか、そういった点を、選択肢の選定にあたって参考にしました。
記者)全部で何分なのか、また、実際に動画の中に選択肢が出てくると思うのですが、これは実際に選択することができるのでしょうか。
土田)全部で9分ちょっとです。最初はもっと長かったんですが、長すぎるということでちょっと詰めてなんとか9分ちょっとくらいにおさえたというような状況です。それから、選択肢は、2つ出てきましたが、選択できます。「2階に行きますか?」というときに「1階に行きます」というのも選択できます。そうすると1階を選択すると土砂崩れにあってしまうのかというと、そうではなくて、1階にいったらもう一度考え直すというか、テレビ見ようとするが、「ちょっと待てよ、さっきテレビでこういうときは2階の方がいいで言っていたな」のようなことになって、結局は2階に行っていただくようになっている。選択肢はあるが、最終的には同じような状況になるシナリオとなっている。
記者)2つ選択肢としてはあるけれども、シナリオとしては1本ということで。
土田)そうことです。
記者)実行性について、これによって、見た方あるいは活用された方が、どんな行動に移してもらえるというか。
土田)行動に移すというよりも、特に土砂災害の場合、ひとりひとりの方が、自分で判断するということが非常に重要になってくると思うんです。避難指示が出て、では避難指示が出たのだからどんな状況でもぱっと外に飛び出して避難するのがよいのかということは必ずしもそうではないという、適切な時期であればそれが一番いいが、かえって危ないということもあるということになると、ひとりひとりの方に、自分で判断するという部分の力、こういう場合はどうしたらよいのか、家の中で比較的な安全な場所にいるのか、あるいはもっと早いタイミングで逃げなくちゃいけなかったのではないかとか、そういうことを考えていただき、それを通じて災害が来た時に判断をすることが非常に重要だということを感じていただき、それが一番大事なのではないかなと。実際の災害ではどの判断が一番いいかというのはケースバイケースで非常に難しいのですが、実際の市民の方にそういう時にはどういった判断をするのがいいのかというのを日ごろから考えていただくというのが、実際の災害が来た時に、これはもう最悪道路が大変な状況になる前に逃げておこうとか、そういう風な早めの判断ができる。どうしようかなと思っていた人が、これを通じて、これはもう逃げた方がいいなと判断して、行動に移る。そういうことに結びついていただくきかっけにといいますか、そういうことに結びつけば非常に効果があるのではないかと思います。
記者)市と協力した、協力先は、センターの中の何班あるいは何研究室だったのでしょうか。
土田)正確に言いますと、スタートした時は災害が起きておらずセンターができていなかったのですが、もともとこのメンバーは、広島大学の中で土砂災害の研究を行っている、私と、橋本助教、それから、洪水災害について研究している内田准教授もメンバーです。その中で、もともと豪雨災害というテーマだったので、東広島市の場合、近くに川があって、家の裏手が山であるというのはある意味よくある状況であろうと。その場合、一方では雨が降るという場合は住んでいる方は川の増水の方をまず気にするという状況もあります。最初シナリオを作るときには、川の問題と土砂の問題とをどういうふうにしていけばよいかというところからいろいろと議論を重ねており、先に川の心配の後、土砂災害も来ることから両者を合わせてスタートしました。しかし両方となるとシナリオが複雑になるのではないかということで、洪水災害の専門である内田先生にも深く関わっていただいていましたが、最終的にはシナリオを単純化したことがよいということで、川の部分を入れずに土砂災害に絞ったもので、その三人で行いました。
記者)導入費用であるとか、市が全額負担したのでしょうか。
市長)共同研究全体としては2,000万円、これについては100万円というのが、市の負担です。
記者)VRのソフトの導入費用が100万という言い方でよいのでしょうか。
担当課)作成にかかる費用です。
記者)スキームは先ほどのシーズ型・ニーズ型の共同研究の一環ということで一緒にやっている。
市長)これはニーズ型という位置づけで一緒にやっている。
記者)災害関連で国からの補助金があったのでしょうか。
市長)今回は、これは単費でやりました。国からの助成はあまり聞いたことがない。
記者)一般への販売予定というのは、これは販売はいくらですか。
担当課)販売時期や販売額は未定です。
記者)販売したら、売り上げは市の[歳入になるのでしょうか]。
担当課)知的財産の関係があるので、広島大学と株式会社理経とで契約となります。市としては共同研究という形で、今回で、一応終わり、という形になります。
記者)自治体向けに販売するんですか。
市長)ニーズはそちらに多いと思います。

 

この記事に関するお問い合わせ先

政策企画部 広報戦略課
〒739-8601
東広島市西条栄町8番29号 本館5階
電話:082-420-0919
ファックス:082-422-1395
メールでのお問い合わせ