広島大学・東広島医療センターとの共同記者会見(令和3年10月1日開催)

更新日:2021年10月01日

広島大学、東広島医療センターと共同で、広島中央地域の総合的な医療体制の確立に向けた取組についての記者会見を開催しました。

発表事項

広島大学・東広島医療センター・東広島市の連携による広島中央地域の総合的な医療体制の確立に向けた取組について(広島中央地域医療・侵襲制御医学講座の設置)

配付資料

会見の様子

発表項目について、動画で確認できます。

外部リンク(You Tube)

会見録

1 発表

東広島市長説明

広島中央地域の総合的な医療体制の確立に向けて「広島中央地域医療・侵襲制御医学講座」という名称の麻酔科に関する寄附講座を広島大学に設置していただき、本市の医療の中心的な役割を担う東広島医療センターの医療体制の充実を図る取組である。

本日は、広島大学から木内病院長と堤教授、東広島医療センターから勇木院長にお越しいただいているため、私からは、本市における医療の課題とこれまでの取組などの概略についてお話しし、寄附講座の内容や東広島医療センターの現状は、それぞれお2人からお話しいただきたいと思う。

まず、本市における医療の課題について、これまで、本市の属する広島中央医療圏では、人口の増加に見合った医療体制の構築が進んでおらず、救急医療や小児科、麻酔科の分野において慢性的な医師不足の状態が続いている。また、本圏域には3次救急病院がなく、東広島医療センターで実質的に3次救急と同等の処置を行っていただいている現状である。

こうした現状を受け、これまでも市としては東広島医療センターに対し、地域周産期母子医療センターの整備を皮切りに、ヘリポートの整備、山陽自動車道からの進入路の整備、MRIなどの医療機器の整備など様々なハードの支援を行ってきた。しかしながら、医療は医師がいないと成り立たたないため、手術や救急医療の場面における麻酔科医の不足は深刻な課題となっていた。

こうした状況を少しでも改善するため、広島大学に寄附講座を開設いただき、東広島医療センターにおいても診療や研究、教育を行っていただくことで麻酔科に関連する諸課題に対応していくこととした。

今回の寄附講座は、令和3年10月1日から令和5年9月30日までの2年間行うこととしており、この講座の設置にあたり市から広島大学に2か年で5,000万円の寄付を行う。なお、この寄附の一部には、新型コロナ対応のために全国の皆様から頂戴した「新型コロナウイルス感謝と応援寄附金」の一部を活用している。この場をお借りし、寄附をいただいた皆様にお礼を申し上げる。

次に、目指す医療体制の姿について、寄附講座の設置により、4つの項目について医療の充実を目指すこととしている。

まず、1点目「コロナ禍での医療体制の確保」。先般の第5波の新型コロナウイルスの感染拡大では、医療のひっ迫が全国的に問題となったが、本市においても大変厳しい状況にあった。寄附講座の設置により麻酔科医が実質増員となることは、コロナ禍での通常医療体制の確保の観点からも大変有意義であると考えている。

次に2点目「高度救急医療体制の充実」。東広島医療センターに実質3次救急の機能を担っていただいている現状がある。こうした高度な処置を行うためには、全身麻酔が必要なケースも多く、寄附講座の設置により、複数の高度な緊急手術の実施も可能になってくるものと考えている。

次に3点目「域内完結型医療体制の確保」。寄附講座の設置により、東広島医療センターで同時期に対応できる手術件数の増加が期待される。これまで発生していた他院への転院や長期の手術待ちについても解消が図られてくるものと考えている。

次に4点目「救急医療体制の充実」。今回の寄附講座により東広島医療センターにおいて気管挿管を行う救急救命士の養成に係る認定病院実習の実施が可能となる。これまでは、他市の医療機関において年2名の養成にとどまっていたが、今後は、トータルで年5名を養成できる見込みであり、本市消防局における救急体制も大きく充実するものと考えている。

以上4点が今回の寄附講座の設置による主な効果であり、結果として市民への安全・安心な医療の提供につながるものと考えている。

そのほか、寄付講座を通じて、高度な医療技術を若い医師や研修医にお伝えいただけるということも、今回の寄附講座の大きなメリットではないかと考えており、将来の医療人材の育成にも寄与するものと考えている。

広島大学病院長説明

この度、東広島市からの寄附により、寄附講座設立に至った。地域を思う高垣市長のリーダーシップ及び東広島医療センター・勇木院長の熱意によるものと思う。

寄附講座とは、人件費及び研究費等を広島大学病院に寄附いただき、その寄附を財源として教員を雇用し、診療、研究及び教育を進めていく制度である。雇用された医師である教員は、東広島医療センターと広島大学病院で勤務することになり、同席の堤教授が主宰する広島大学病院麻酔科を中心に、その関係をより密にすることで、地域医療に還元していく仕組みと言える。

広島県唯一の医育機関でもある広島大学病院は、医療人の人材育成も大きな役割の一つであり、経験豊かな広島大学の医師である教員が研修医を含めた医師等の教育を行うことでも貢献できると考えている。

また、広島大学病院の大きな使命の一つとして、社会貢献がある。国難とも言える新型コロナウイルス感染症発生以降、県内における最重症例患者の受入れをはじめ、感染拡大時には中等症患者の受入れ、PCR検査体制の充実、治療法の開発及びワクチン接種等、行政や他病院とも連携・協力し、積極的に取組んできた。ワクチン接種は、東広島市とも連携して行うなど、合計すると10万回を超えた。

今回の寄附講座設立も含め、引き続き、地域医療への貢献に努めていきたいと考えているので、よろしくお願いしたい。

広島大学の本部は東広島市にあり、広島大学の広報誌8月号でも、越智学長と高垣市長の対談を掲載している。今後も広島大学と東広島市のつながりをより強く持っていきたいと考えている。

東広島医療センター院長説明

ここまで東広島市、広島大学からの詳細な説明があったが、私の立場から話をする。今回の寄附講座設立にともなう当院への麻酔科医診療援助に関しては大変有りがたく感謝するとともに、関係各位に改めてお礼申し上げる。

当院はこの地域の唯一の急性期総合病院である。地域医療を守るためには多くの役割があり、これに応える必要がある。当院は以前、結核療養所であったが、この10年余りをかけて急性期総合病院になってきた。これまで広島大学、そして東広島市をはじめとした行政、また地区医師会、福祉関係などの多くの支援があった。これに応えるべく当院も成長している。また良好なそして緊密な連携があるからこそ、この度の寄附講座の設立に結びついたものと考えている。現在のコロナ禍における対応もその証跡と考えている。

医師不足は全国の大きな問題として取り上げられてきたが、私も地域のいろいろな協議会の場で発言してきた。特に麻酔科は外科系部門の全体を支える科であると同時に、救急医療、災害医療そしてこの度のコロナ感染症対応においても大きな役割を果たしている。昨年度はコロナの影響もあったが、一年間に3,019件の手術を行っており、そのうち緊急手術は501件で、このうち夜間休日など時間外緊急手術は312件であった。当院は地域周産期母子医療センターもあり、年間約500の分娩がある。その中で昨年は帝王切開が159件あり、一刻を争って対応しないといけないものもあった。

当院は2次救急の輪番病院の1つですが、他の輪番4病院からの紹介を365日受けており、2.5次救急病院と自称している。昨年度は救急車の搬入は3,140件であった。そのなかで心筋梗塞、脳卒中、開頭・開胸・開腹術や外傷治療など待ったなしの治療もできる限り当院で行っている。

また、救急でなくても手術を必要とする病気は長くは待てない病態がほとんどである。癌の患者や生体機能が低下しつつある方などで、当院での治療を希望されても予定手術枠がいっぱいで、広島市や呉市などにお願いする場合がある。今回の寄附講座の創設で、こうした患者さんを少しでも多く当院で治療できることで地域完結医療につながっていけるのではと思っている。

寄附講座設立にともなう麻酔科医診療援助の効果については、救命救急士の育成やその他今まで麻酔科としてぎりぎりでサポートができなかった部分や、その他コロナ対応も含め、より安定的に安全に治療が行われ、麻酔科としての習熟度もあげつつ、手術件数は確実に上がっていくものと考える。

最後に新型コロナ感染症の対応について、当院はもともと県の第二種感染症指定医療機関であり、現在はコロナ対応の重点医療機関、協力医療機関である。医師会、東広島市、保健所、県の調整本部とも連絡を密にしてこの間やってきた。1,000人以上のコロナ患者を診察し、トリアージや入院治療を行っている。救急患者や手術患者への影響も最小限にとどめ、スタッフ一同頑張っている。

今回の寄附講座の設立は地域住民の医療に直結する大きな貢献になると考えている。

2 質疑

表記について

東広島市長:市長

広島大学 木内病院長:木内病院長

広島大学 堤教授:堤教授

東広島医療センター 勇木院長:勇木院長

と表記しています。

内容

記者)東広島医療センターには現在、麻酔科の先生は何人いるか。

勇木院長)5人。

記者)手術を待っている患者がいるとの話があったが、どれくらいいるのか。

勇木院長)何件とは言い難いが、癌患者で2~3か月待ちとなることが多い。外来の診療部門では待てないため、広島県(地域)で医療を分散していく必要があり、主に広島市にお願いしている状況。

記者)寄附講座には何人の医師を派遣するのか。

木内病院長)2人。

記者)どのくらいの頻度で医療センターに従事するのか。

堤教授)2人のどちらかが、毎日東広島医療センターに勤務する。平日は、週2日勤務する先生と、週3日勤務する先生と分かれる。土日の待機は、東広島医療センターの常勤の先生に寄附講座の先生も加わりシフトを組み対応する。

記者)侵襲制御医学講座は霞キャンパスに開設するのか。具体的にはどんなことをするのか。

堤教授)麻酔科の専門医2人を配置し、先ほどの説明のとおり東広島医療センターに勤務し、麻酔を行う。待機となる手術が解消されればと期待している。広島大学として、地域医療に貢献する必要がある。専門医2人を配置し、東広島医療センターに勤務することによる教育面にも貢献していきたい。

記者)東広島医療センターで働かれている麻酔科の先生への教育ということか。

堤教授)麻酔科の先生に加え、周術期の看護師やMEなど、医療関係者に対する教育も含まれる。

勇木院長)堤教授が言われたことに加え、東広島医療センターには、救急医がいない。医師全員が通常診療をしながら救急に向かっている。そんな中で、呼吸・循環などでは麻酔科の先生が重要なポジションを占める。コロナウイルス感染症でも、呼吸不全などになった場合に呼吸器内科医と麻酔科医が一緒に処置をすることもある。救命救急士、メディカルコントロールの部分への麻酔科の先生の影響力は大きく、教育部分でも大きな貢献となる。救命救急士は、なった後も勉強しなければならないし、実習(特定行為)もある。そういった部分も、今後当院でサポートしていく。幅広い部分にご教示いただけると期待している。麻酔件数だけでなく、色んな意味でこの地域に貢献していただけると思っている。

記者)今回の連携に至った経緯は。

市長)これまで、東広島医療センターに対する支援を行い、本市の地域医療の充実に努めてきた。そういう中でも、医師不足は対処が難しく、様々な取り組みをしてきたが、今回この寄附講座という取組で、本市の医療の中でボトルネックになっている麻酔部門の先生方を派遣していただけることとなった。広島大学のご協力のおかげである。広島大学の越智学長や木内病院長と連携を図りながらワクチン接種など様々な取り組みを行ってきた中で、今回このような取り組みとなった。

記者)麻酔科医はもちろん、小児科医など専門の医師が不足している実情があると思うが、今回の連携が与える影響は。

市長)本市には小児医療や産婦人科、夜間救急の強化などの課題がある。夜間救急の強化のため、昨年度広島大学から内科医を派遣いただける取組みが始まった。更に今回の取組みが始まる。

記者)寄附講座の医師は既に雇用されている人か。

木内病院長)既に雇用している医師である。人を派遣する場合に、代わりの人の人件費を準備できないことが多く、派遣できないことがあるが、こういった寄附講座で人件費を持っていただけると派遣しやすくなる。こういった取組みは今回が初めてではなく、他でも医師を派遣し地域の医療を守る取組みを行っている。大学病院の教育や研究も行いながら地域の医療を守っていかなければならないため、医師2人には、交代で東広島医療センターに行ってもらい、大学での職務も行っていただきながら東広島医療センターにも勤務いただく。

記者)広島大学の先生なのか。

木内病院長)麻酔科の堤教授の教室に所属している先生である。

記者)侵襲制御医学というのをわかりやすく言うと。

堤教授)麻酔科である。

記者)救命救急士のサポートを行うとのことであったが詳細は。

市長)本市の消防局には救命救急士が約90人おり、その内3割強が気管挿管という技術を取得している。研修が必要で、現在は尾道市で研修を受け、1年に2人程度養成を図っているが、このたび東広島医療センターに麻酔科医がお越しになることで、東広島医療センターで研修を受け、年間に5人程度気管挿管ができる救命救急士が養成できるようになる。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 広報戦略監
〒739-8601
東広島市西条栄町8番29号 本館5階
電話:082-420-0919
ファックス:082-422-1395
メールでのお問い合わせ

このページが参考になったかをお聞かせください。
質問1
このページの内容は分かりやすかったですか?
質問2
このページは見つけやすかったですか?
質問3
このページには、どのようにしてたどり着きましたか?


質問4
質問1及び2で、選択肢の「3.」を選択した方は、理由をお聞かせください。
【自由記述】
この欄に入力された内容について、回答はいたしませんのでご了承ください。
市役所へのお問い合わせは、各ページの「この記事に関するお問い合わせ先」へお願いします。