○東広島市患者等搬送事業指導及び認定に関する要綱
平成26年8月18日
消防局告示第2号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 指導に関する事項(第3条―第19条)
第3章 認定基準(第20条―第36条)
第4章 乗務員等の講習等(第37条)
第5章 その他(第38条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、東広島市消防局管内の民間事業者による搬送用自動車を用いた患者等の搬送業務を行う事業(以下「患者等搬送事業」という。)に対し、必要な指導を行うとともに一定の基準に適合する患者等搬送事業者の認定を行うことにより、患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。
(1) 患者等 寝たきり者、身体障害者、傷病者(消防法(昭和23年法律第186号)第2条第9号に定める者を除く。)等をいう。
(2) 患者等搬送業務 患者等を搬送するため必要な構造及び設備を備えた自動車(以下「患者等搬送用自動車」という。)を使用し、患者等を医療機関への入退院、通院及び転院並びに社会福祉施設等への送迎のために搬送する業務をいう。
(3) 患者等搬送事業者 患者等搬送事業を行う事業所(以下「患者等搬送事業所」という。)の経営者及び管理責任者をいう。
(4) 認定事業者 第22条の規定による消防局長から認定を受けた患者等搬送事業者をいう。
(5) 乗務員 患者等搬送用自動車に乗務し、患者等搬送業務に従事する者をいう。
第2章 指導に関する事項
(患者等搬送事業の基本原則)
第3条 患者等搬送事業者は、患者等からの通報の適正処理及び患者等の搬送技能の向上に努めるものとする。
2 患者等搬送事業者は、生命に危険があり、又は症状が悪化すると認められ、緊急に医療機関その他の場所に搬送しなければならない患者等は、搬送の対象としないものとする。
3 患者等搬送事業者は、患者等搬送事業の社会的責任を十分自覚し、関連法規を遵守するものとする。
(消防機関との連携)
第4条 患者等搬送事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、119番等により患者等の場所、状態、既往症、掛かりつけの医療機関等を消防機関に通報し、救急自動車を要請するものとする。
(1) 搬送依頼があった時点において、緊急に医療機関に搬送する必要がある場合(この場合は、併せて乗務員を派遣しなければならない。)
(2) 搬送依頼があった場所に到着した時点において、緊急に医療機関に搬送する必要がある場合
(3) 患者等の搬送途上において、緊急に医療機関に搬送する必要がある場合
(乗務員の要件)
第5条 ストレッチャー、車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車の乗務員は、満18歳以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。
(1) 別表第1の1に掲げる患者等搬送乗務員基礎講習を修了した者
2 車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車(以下「患者等搬送用自動車(車椅子専用)」という。)に同乗し、搬送業務に従事する者は、満18歳以上の者で、次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。
(1) 前項に該当する者
(2) 別表第1の1に掲げる患者等搬送乗務員基礎講習(車椅子専用)を修了した者
3 適任証及び適任証(車椅子専用)(以下「適任証等」という。)の有効期間は、交付の日から2年間とする。ただし、第8条の規定により定期講習を受けた者については更に2年間有効とし、それ以降も同様とする。
(適任証等の携行)
第7条 乗務員は、患者等搬送業務に従事するときは、適任証等を携帯し、業務を行うものとする。
(定期講習の受講)
第8条 患者等搬送事業者は、乗務員の応急手当技能を適切に管理するため、適任証等の交付を受けた乗務員に、2年に1回以上、別表第1の2に掲げる定期講習を受講させるものとする。
(適任証等の再交付)
第10条 適任証等を亡失し、又は滅失した時は、適任証等再交付申請書(別記様式第6号)により消防局長に再交付の申請を行うものとする。
(1) 乗務員以外に医師、看護師又は救急救命士が同乗する場合
(2) 退院の場合
(3) 医師の指示によりあらかじめ日を特定した入院、転院又は通院の場合
(4) 社会福祉施設、保養施設等への送迎の場合
(患者等搬送用自動車の要件)
第12条 ストレッチャー、車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車は、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。
(1) 十分な緩衝装置を有すること。
(2) 換気及び冷暖房の装置を有するものであること。
(3) 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有するものであること。
(4) ストレッチャー、車椅子等を使用したまま確実に固定できる構造であること。
(5) 携帯が可能な通信機器等、連絡に必要な設備を有していること。
2 患者等搬送用自動車(車椅子専用)は、次に掲げる構造及び設備を有するものとする。
(2) 車椅子を使用したまま確実に固定できる構造であること。
(3) 車椅子の乗降を容易にするための装置(スロープ、リフト等)を備えていること。
(積載資器材)
第13条 患者等搬送用自動車には、別表第3に掲げる資器材を積載するものとする。
(車両の外観)
第14条 患者等搬送用自動車は、サイレン又は赤色警告灯を装備するなど、救急自動車と紛らわしい外観を呈してはならない。
(1) 定期消毒 毎月1回以上
(2) 使用後消毒 毎使用後
2 消毒の実施要領は、別表第4によるものとする。
3 定期消毒を実施したときは、その旨を消毒実施記録票(別記様式第7号)に記録し、患者等搬送用自動車内の見やすい場所に表示しておくものとする。
(安全管理及び衛生)
第16条 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、点検整備を確実に行い、清潔の保持に努めるものとする。
2 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものとし、清潔の保持に努めるものとする。
3 患者等の搬送に当たっては、患者等及び同乗者に対し、安全ベルトを装着させるなど、安全搬送の措置を講ずるものとする。
(事業案内)
第17条 パンフレット等の事業案内には、救急隊と同レベルの活動ができるかのような表現は避けるものとする。
(応急手当)
第18条 患者等搬送事業者は、患者等搬送業務を行うときは、症状の悪化防止に万全の配慮を行うとともに、搬送途上において症状が悪化し、緊急やむを得ない場合は、必要な応急手当を実施するものとする。
(知識及び技術の維持管理)
第19条 患者等搬送事業者は、乗務員の患者等の安全搬送に関する知識及び技術の向上に努めるものとする。
第3章 認定基準
(認定対象となる患者等搬送事業者)
第20条 認定対象となる患者等搬送事業者は、道路運送法(昭和26年法律第183号)に定める次に掲げる者とする。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(3) 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(4) 自家用有償旅客運送の登録を受けた者
(認定マーク等の交付等)
第23条 消防局長は、ストレッチャー、車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車による患者等搬送事業の認定事業者に対し、患者等搬送事業者認定マーク(別図第1)及び患者等搬送用自動車認定マーク(別図第2)を交付するとともに、認定マーク等受領書(別記様式第13号)を受け取るものとする。
2 消防局長は、患者等搬送用自動車(車椅子専用)による患者等搬送事業の認定事業者に対し、患者等搬送事業者(車椅子専用)認定マーク(別図第3)及び患者等搬送用自動車(車椅子専用)認定マーク(別図第4)を交付するとともに、認定マーク等受領書(別記様式第13号)を受け取るものとする。
3 消防局長は、患者等搬送事業者認定マーク、患者等搬送用自動車認定マーク、患者等搬送事業者(車椅子専用)認定マーク及び患者等搬送用自動車(車椅子専用)認定マーク(以下「認定マーク等」という。)を交付したときは、認定事業者台帳(別記様式第14号)を作成するものとする。
(認定の有効期間)
第24条 第22条に規定する認定の有効期間は、認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。
(認定の更新)
第25条 認定事業者は、認定の有効期間の満了後も引き続き認定を受けようとするときは、認定の期間が満了する日の1か月前から満了する日までの間に消防局長に更新を申請するものとする。
2 更新時の手続は、認定時の手続を準用するものとする。
(事業の休止等)
第26条 認定事業者は、患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し、又は廃止しようとするときは、患者等搬送事業休廃止届(別記様式第15号)により消防局長に届け出るものとする。
(認定の失効)
第28条 次の各号のいずれかに該当するときは、認定はその効力を失うものとする。
(1) 道路運送法に定めるところにより、国土交通大臣の許可等が取り消され、又は失効したとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき
(3) 認定の有効期間が満了したとき
(認定事業者の責務)
第29条 認定事業者は、この要綱を誠実に履行しなければならない。
(1) 患者等を搬送中に容態の変化があり、応急処置を実施したとき。
(2) 患者等を搬送中に容態の変化があり、救急自動車を要請したとき。
(3) 患者等搬送業務の遂行に支障を及ぼす重大な事故を発生させたとき。
(4) その他特異な事案を扱ったとき。
(認定事業者の調査)
第30条 消防局長は、少なくとも年1回以上認定事業者に対し、この要綱の履行状況について調査するものとする。
2 消防局長は、第1項の規定による調査の結果、不適当な事項があると認めたときは、認定基準等に適合するように指導するものとする。
(認定の取消し)
第31条 消防局長は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取り消すことができる。
(1) 認定事業者がこの要綱を遵守しないとき。
(2) 業務の遂行に当たって、重大な事故を発生させたとき。
(3) 社会通念上、認定事業者としてふさわしくない行為又は事故を発生させたとき。
(4) その他消防局長が認定を取り消すべき事由があると認めるとき。
(認定マーク等の表示)
第33条 患者等搬送用自動車認定マーク及び患者等搬送用自動車(車椅子専用)認定マークは、自動車後面の見やすい位置に表示するものとする。
2 「東広島市消防局認定」の表示は任意とし、表示する場合の大きさは縦横50ミリメートル以下とする。
3 患者等搬送用自動車の車体には、国土交通省で定めた患者等輸送車両である旨の表示をすることとする。
(認定マーク等の返納)
第34条 認定事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定マーク等を返納しなければならない。
(1) 道路運送法に定めるところにより、国土交通大臣の許可等が取り消され、又は失効したとき。
(2) 認定を取り消されたとき。
(3) 認定の有効期間が満了したとき。
2 消防局長は、認定マーク等を返納させたときは、患者等搬送用自動車の車体に記載されている「東広島市消防局認定」の表示を削除させるものとする。
(認定マーク等の再交付)
第36条 認定事業者は、認定マーク等を亡失し、又は滅失したときは、認定マーク等再交付申請書(別記様式第20号)を消防局長に届け出て認定マークの再交付を受けることができるものとする。
2 消防局長は、認定マーク等の再交付の申請を受けたときは、申請書の内容を審査の上、認定事業者台帳を整理し、認定マーク等を申請のあった認定事業者に再交付するものとする。
第4章 乗務員等の講習等
(講習の実施)
第37条 消防局長は、患者等搬送業務に必要な知識及び技術を乗務員に習得させるため、別表第1に掲げる基礎講習及び定期講習を行うものとする。
2 基礎講習及び定期講習を行う場合は、実施要領の案内をする等の広報を実施の上、受講者を募集し、行うものとする。
第5章 その他
(委任)
第38条 この要綱の施行に関し必要な事項は、消防局長が別に定める。
附則
この要綱は、平成26年8月18日から施行する。
附則(平成28年4月1日消防局告示第1号)
この告示は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和3年3月31日消防局告示第2号)
1 この告示は、令和3年4月1日から施行する。
2 この告示の施行の際現にあるこの告示による改正前の様式(次項及び第4項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この告示による改正後の様式によるものとみなす。
3 この告示の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
4 改正前の告示の規定による申請、届出その他の手続は、当分の間、旧様式に所要の調整をしたものを使用してすることができる。
別表第1(第5条、第8条、第9条、第37条関係) 講習の実施基準
1 基礎講習
種別 項目 | 患者等搬送乗務員基礎講習 | 患者等搬送乗務員基礎講習 (車椅子専用) | ||
実施者 | 消防局長 | |||
受講回数 | 乗務員になる時に1回以上 | |||
講習内容 | 課目 | 時限 | 課目 | 時限 |
1 総論 | 1 | 1 総論 | 1 | |
2 観察要領及び応急処置 | 13 | 2 観察要領及び応急処置 | 9 | |
3 体位管理要領 | 2 | 3 体位管理要領 | 1 | |
4 消防機関との連携要領 | 2 | 4 消防機関との連携要領 | 2 | |
5 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 2 | 5 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 1 | |
6 搬送法 | 2 | 6 搬送法 | 1 | |
7 修了考査 | 2 | 7 修了考査 | 1 | |
講習時限 | 24時限 | 16時限 | ||
講師 | 講師は、次のいずれかに該当する者とする。 1 救急隊長として3年以上の実務経験を有する者で、消防局長が適任と認めた者 2 消防大学校の救急科課程の修了者で、消防局長が適任と認めた者 3 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有する者で、消防局長が適任と認めた者 | |||
修了考査実施基準 | 修了考査は次の内容とし、80点以上をもって合格とする。 1 実技(観察要領と応急処置) 60点 2 筆記(消防機関との連携要領) 20点 (車両資器材の消毒及び感染防止要領) 20点 | |||
その他 | 1 課目の1時限は45分とする。 2 消防局長は、必要と認める場合は、講習内容、講習時間等を変更することができる。 |
2 定期講習
種別 項目 | 患者等搬送乗務員定期講習 | |
実施者 | 消防局長 | |
受講回数 | 2年に1回以上 | |
講習内容 | 課目 | 時限 |
1 観察要領及び応急処置 | 2 | |
2 体位管理要領 | 1 | |
講習時限 | 3時限 | |
講師 | 講師は、次のいずれかに該当する者とする。 1 救急隊長として3年以上の実務経験を有する者で、消防局長が適任と認めた者 2 消防大学校の救急科課程の修了者で、消防局長が適任と認めた者 3 消防学校の救急科課程の教官として2年以上の経験を有する者で、消防局長が適任と認めた者 | |
その他 | 1 課目の1時限は、45分とする。 2 消防局長は、必要と認める場合は、講習内容、講習時間等を変更することができる。 |
別表第2(第5条関係) 基礎講習を修了した者と同等以上の知識及び技能を有する者
区分 | 分類 |
1 | 救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則第51条に定める救急業務に関する講習課程を修了した者 |
2 | 日本赤十字社の行う応急処置に関する講習を受けた者で、資格の有効期間内の者。ただし、東広島市消防局の行う基礎講習に不足する課目については、東広島市消防局の行う講習を受講すること。 |
3 | 1及び2に掲げる者以上の知識及び技能を有すると消防局長が認めた者 |
別表第3(第13条関係) 患者等搬送用自動車に積載する資器材
分類 | 資器材名 | 備考 |
呼吸循環管理資器材 | ポケットマスク | |
バッグバルブマスク | ※1 | |
AED(自動体外式除細動器) | ※2 | |
保温・搬送用資器材 | 敷物 | ※1 |
保温用毛布 | ||
担架 | ||
まくら | ※1 | |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 | |
ガーゼ | ||
包帯 | ||
タオル | ||
ばんそうこう | ||
消毒用資器材 | 噴霧消毒器 | |
各種消毒薬 | ||
その他の資器材 | はさみ | |
マスク | ||
ピンセット | ※1 | |
手袋 | ||
膿盆汚物入れ | ||
体温計 |
備考
1 ※1に示す資器材について、患者等搬送用自動車(車椅子専用)への積載は、任意とする。
2 ※2に示す資器材について、ストレッチャー、車椅子等を固定できる患者等搬送用自動車及び患者等搬送用自動車(車椅子専用)への積載は、任意とする。
別表第4(第15条関係) 消毒の実施要領
1 定期消毒
区分 | 実施内容 |
資器材 | 1 流水による洗浄 2 消毒、殺菌 |
車内 | 1 流水による洗浄 2 消毒剤による清拭 |
備考 | 1 車内で、水洗いを避けなければならない場合は、清拭及び消毒用薬剤噴霧による殺菌消毒を行う。 2 実施時には、ディスポーザブルのビニール手袋等を着装すること。 |
2 使用後消毒
区分 | 実施内容 | |
血液、嘔吐等による汚染を受けた場合 | 左記以外の汚染の場合 | |
乗務員 | 1 手指の消毒は、前腕部を含めて流水により行い、血液、汚物等の付着がある場合は、特に入念に洗浄した後、消毒用薬剤を行うものとする。 2 口腔内の消毒は、手指を洗浄した後、うがい薬等により行うこと。 | |
資器材 | 1 流水による洗浄 2 消毒剤による清拭 3 消毒、殺菌 | 1 流水による洗浄 2 消毒、殺菌 |
車内 | 1 流水による洗浄 2 消毒剤による清拭、噴霧消毒 | 1 流水による洗浄 2 消毒剤による清拭 |
備考 | 1 車内で、水洗いを避けなければならない場合は、清拭及び消毒用薬剤噴霧による殺菌消毒を行う。 2 実施時には、ディスポーザブルのビニール手袋等を着装すること。 |
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔平成28年消防局告示1号・令和3年2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔平成28年消防局告示1号・令和3年2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)
(一部改正〔令和3年消防局告示2号〕)