消防計画の作成
消防計画はなぜ必要か
事業所の防火管理は,その防火対象物の管理についての権限を有する者(管理権限者)、防火管理者、防火担当責任者、火元責任者などの特定の人達だけでなく、全従業員がそれぞれの立場ごとに分担することで、火災予防及び人命の安全が確保できることになる。そして、防火管理の組織、役割、普段の点検など、必要な事項、災害発生時の設置など、その事業所での火災予防上又は発災時に必要な事項の全てが盛り込まれた防火管理に関する規則が「消防計画」で、その事業所の従業員はもちろん、その建物を訪れる人々も、この規則の拘束を受けることになる。
消防計画の作り方
火災のほとんどは、人の不注意、あるいは施設の不備や欠陥が原因になって発生している。これは言い換えれば、火の用心に関して「鈍感」、「無関心」がいかに多いかということを表している。この鈍感や無関心派をなくすためにも、その事業所自身の防火に対する規則である「消防計画」は、できるだけわかりやすく、そして具体的に行動できるものでなくてはならない。
だから、ほかの消防計画を真似て作るというのはちょっと待ってほしい。自分の事業所に合った消防計画を作ること、それが大切だ。
(1)消防計画の作成時期
消防計画は、管理権限者から防火管理者として選任されたら、すぐに作成しなければならない。
(2)消防計画に盛り込む事項
消防法施行規則では、次の12項目にわたって、その防火対象物の用途や、構造、規模、設備などにマッチした計画を作るように規定している。
- 自衛消防の組織に関すること
- 防火対象物の火災予防上の自主検査に関すること
- 消防用設備等の点検及び設備に関すること
- 避難通路、避難口、安全区画、排煙、又は防火区画その他の避難設備の維持管理及びその案内に関すること
- 防火壁、内装、その他の防火上の構造の維持管理に関すること
- 定員の尊守、その他収容人員の適正化に関すること
- 防火上必要な教育に関すること
- 消火、通報、及び避難の訓練の実施に関すること
- 火災、地震、その他の災害が発生した場合における消火活動、通報連絡及び避難誘導に関すること
- 防火管理について、消防機関との連絡に関すること
- 増築、改築、移転、修繕、又は模様替えの工事中の防火対象物における防火管理者、又は補助者の立会、その他火気の使用、又は取扱の監督に関すること
- その他、防火対象物における防火管理に関し必要な事項
また、前の説明で出てきた防火管理業務を一部委託している場合は、受託者の氏名、住所、受託の範囲及び方法を明記する。
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更新日:2022年02月17日