令和8年11月号特集「あなたの力が地域で生きる!協同労働」

「地域のために何かしたい」「自分の得意なことを地域で生かしたい」。そんな思いを仲間とともに形にできるのが「協同労働」という仕組みです。暮らしの困り事のお手伝いや子育て支援、交流の場づくりなど、その形はさまざま。地域の「困った」とあなたの「やってみたい」をつなぐ、新たな地域活動を考えてみませんか。
協同労働=人や地域とつながる新たな地域活動のかたち
人口減少や高齢化が進み、地域で当たり前に続いてきた支え合いの維持が難しくなりつつあります。一方で、年齢や生活スタイルなどに合わせて、自分らしく働きたいという人も増えています。
こうした地域の課題と多様なニーズに向き合う方法の一つが「協同労働」です。働く人自身が可能な範囲でお金を出し合い(出資)、対等な立場でアイデアを出し合い(経営)、人と地域の役に立つ仕事に取り組む(労働)、活動の仕組みです。

協同労働の例

ここが知りたい!協同労働Q&A

会社との違いは?
メンバー全員の意見を反映できることです。会社では、一般的に経営者が経営方針や給与などを決め、労働者は経営者に従い働きます。一方、協同労働は、メンバーで話し合って方針や出資額・労働対価などを決め、役割を分担しながら活動。各メンバーが主体的に取り組むことができます。
ボランティアとの違いは?
対価を得ることができ、持続的な運営がしやすいことです。現在のボランティア活動が順調であれば、継続して問題ありません。もし継続が難しいと感じている場合は、ボランティアとしての枠組みを残しつつ、収益を得られる事業を組み合わせるのも一つの方法です。
今の仕事と両立できる?
勤務先のルールを確認しましょう。副業・兼業の場として、活動に関わるケースもあります。
どんなサポートが受けられる?
コーディネーターが団体の立ち上げから運営まで伴走します。出資金や収益の配分、報酬の決め方など、経営が初めての人にも寄り添ってサポートします。
1.ヒアリング
相談内容を聞き、協同労働の仕組みやスケジュールなどを説明
2.事業計画支援
課題や思いを聞き、アドバイスしながら事業計画の作成を支援
3.団体設立
活動開始後も持続できるようサポート
[問]労働者協同組合
ワーカーズコープ・センター事業団
東広島事業所
tel.(082)400-9133
協同労働の立ち上げを検討している団体にインタビュー
つながりで親子を支えたい
こどもの家 のはら
代表 岡本さん

「児童虐待を防止したい」という思いを持ったメンバーが集まり、親子や地域の人がつながり合える居場所づくりに取り組んでいます。
現在は、ボランティアで地域・こども食堂と遊びの広場を月1回実施。家事や子育ての負担を家庭だけで抱え込まないよう、困り事の兆しを早めにキャッチし、必要な支援につなげられる形を探っています。
得意なことを生かせる!
14人のメンバーは、料理や裁縫、手仕事など、それぞれに得意なことがあります。共通の思いを形にするために、それぞれの得意なことを生かして、無理なく活動を続けられる仕組みが協同労働だと感じています。みんなで意見を出し合い運営する考え方も、私たちにぴったり。参加者やメンバーが安心して楽しく過ごせる場になるよう、知恵を出し合っています。
地域の活動を持続させたい
志和堀小学校区 住民自治協議会
副会長 森行さん

志和堀小学校区住民自治協議会では、高齢化や人口減少などの地域課題に向き合い、誰もが安心して暮らせるまちづくりに取り組んでいます。そのためには、住民一人一人が地域に誇りを持ち、個々の力を生かして関わることが大切だと考えています。協同労働を通して、住民同士が支え合い、誰もがいきいきと暮らせる地域を目指したいです。
有償で持続可能に!
協同労働シンポジウムへの参加や他団体への視察などを通して、有償の仕組みを取り入れることで、頼む側は気兼ねなく依頼でき、支える側も責任を持って活動を続けやすくなることを学びました。計画段階ですが、見守りや移動支援、産直市、旧志和堀小学校の利活用、農地や茅葺(かやぶき)屋根の保全などに協同労働の仕組みを取り入れたいと考えています。
住民同士の支え合いを広げたい
ここからコネクト
高屋ハイタウン自治会長 石本さん

高屋ハイタウンの住民4人で結成しました。高齢化が進む中で、暮らしのちょっとした困り事を地域のみんなで支え合える仕組みが必要になると考えています。さまざまな世代がつながり、「ここに住んでよかった」と思ってもらえる地域を目指しています。
住民の力で地域をつなぐ!
地域には、多様な経験や技能を持ち、「誰かの役に立ちたい」と思っている住民がいます。住民の力を地域で生かし、活動を無理なく続けていく仕組みとして、協同労働を提案しました。
現在、オンラインのコミュニケーションツールを導入し、住民同士で情報共有や意見交換を行っています。今後は、そこから地域のニーズを把握し、困り事のある人と対応できる人をつなぐ体制を整え、地域の新しいつながりを作っていきます。
専門家からのアドバイス ~一人一人のやりがいが地域の活力に~
労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団
山陰山陽事業本部 本部長 高成田(たかなりた)さん

協同労働ではどんな人が活動していますか?
現役世代から定年後まで、さまざまな人が活動しています。これまで培った技術や経験を生かせる、第二・第三の居場所として協同労働に参加する人が増えています。
活動を通じた変化は?
自分の思いを伝え、相手の考えを聞く機会が増えるので「一人一人の意見を大切にするようになった」という声を聞きます。また、出資をしたり報酬を得たりすることで、主体的に活動に参加するという変化が生まれています。
スムーズな活動を続ける秘訣は?
話し合いの場を持ち続け、情報を共有し、みんなで意思決定していくことです。一人の「困った」を大切にして、新しい活動をみんなで作り続けていきましょう。
協同労働のやりがいは?
収益よりも人とのつながりを大切にできることです。やりがいを感じ、楽しく働く人が地域に増えることが、まちの活性化につながると感じています。
協同労働をもっと身近に!
本市では、協同労働を知り、体験できる機会づくりを進めています。
協同労働シンポジウム
専門家の解説や活動団体の事例発表、パネルディスカッションなどで理解を深めるイベントを行いました。

協同労働まちしごと体験

参加者が対話を通じて、自分の得意なことや、やりたいことなどを見つけ合うワークショップを行いました。
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更新日:2026年10月30日