令和3年度 施政方針

更新日:2021年02月28日

令和3年第1回東広島市議会定例会 市長開会挨拶
 

   令和3年第1回東広島市議会定例会の開会に当たり、「市政運営に関する私の所信」並びに「令和3年度当初予算の概要」及び「重点施策」についてご説明申し上げ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

1 はじめに

   昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、我々の生活が大きく脅かされた1年でございました。春、全国に緊急事態宣言が発出されたのに続き、夏、秋と感染の波が押し寄せ、我々が当たり前のように過ごしてきた日常は奪われ、仕事、生活、学び、あらゆる面における活動が制約を受けております。

   本市におきましては、4月17日に新型コロナウイルス対策室を設置し、体制を整備しますとともに、必要に応じた補正予算の編成により、速やかな特別定額給付金の給付や、中小企業対策など、積極的な対策を講じてきたところでございます。

   新型コロナウイルス感染症対策にとって大変重要なワクチンの接種が、今月中旬を目途に医療従事者から順次開始されるとの政府の方針でございますが、本市としましても、市民の皆様への円滑なワクチン接種に向け、1月6日に設置しておりましたワクチン接種対策準備班を、2月1日にはワクチン接種対策班と改称するとともに、職員6名を追加し14名体制に増強したところでございます。市議会臨時会におきましてご議決を賜りました関係予算とともに、引き続き、万全を期してまいります。

   こうした新型コロナウイルス感染症対策など、市民の生命と安全の確保につきましては、今後とも、最優先に取り組んで参る所存でございます。

   さて、歴史を紐解きますと、感染症のパンデミックは、これまで人類史を大きく変えてきております。中世ヨーロッパでは、黒死病が大流行したことによって、それまでの価値観が覆り、活版印刷などの新たなテクノロジーの台頭もあり、ルネサンスが生み出されたと言われています。また、1919年に世界的に大流行したスペイン風邪は、5年間続いた第一次世界大戦を終結させたとも言われています。

   今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、「新たな日常」への転換が求められるなど、人々の生活は大きく変化を強いられることとなりましたが、これは一過性のものではなく、中世のルネサンスのように、それまでの価値観が新たな価値観に置き換えられる契機になるのではないかと考えております。

   私は、次の時代における新しい価値観としてキーワードとなってくるのは、「SDGs」とデジタルトランスフォーメーション「DX」になるものと考えております。

   まず、SDGsにつきましては、世界的にこの17のゴールの達成に向けた取組みが進められており、このところ徐々にマスコミにも、我が国の社会そして我々地方自治体においても取り上げられており、今後、人々の共通の理念として、広く、着実に根付いていくことが期待されております。

   中でも、環境問題につきましては、菅内閣総理大臣の就任後初の国会の所信表明演説の中で、2050年カーボン・ニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言されたところでもございます。

   こうした環境問題は、記憶にも新しい平成30年7月豪雨など、今日、各地で頻発する甚大な自然災害の要因とされるものであり、世界各国で取り組んでいくべき喫緊の課題となっております。私自身も、地球温暖化問題を、気候変動という単に一つの現象としてではなく、我々人類の生命や財産を脅かす危機に直結していくものと思っており、この解決に向け一人ひとりが行動に移すべき時に来ているものと考えております。

   本市といたしましても、SDGs未来都市として、国の示される方針や施策を念頭に置き、「地域の環境適合」はもとより「将来に向け持続可能な環境創造」の視点に立ち、施策の展開においては、関係団体等としっかり連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。

   また、DXについてでございますが、今回のコロナ禍におきましては、我が国のデジタル化の遅れが指摘されており、現在、官民を挙げてその推進に取り組んでいるところでございます。このDXは、IoT、AI、5Gなどのデジタル技術を活用した生産性の向上や業務の効率化のみならず、業務形態や組織体制の抜本的な改革や社会課題の解決、新たなビジネスの創出を図ろうとするものです。

   この様な中、本市におけるDXの推進は、市民にとってわかりやすく、最適なやり方で、市民ニーズに寄り添い、それぞれの市民が望むサービスの提供を基本方針として、デジタルとアナログのベストミックスで人と人とを結び付け、市民の幸福度(Well-Being)の向上を目指そうとするものでございます。

   テレワークやWEB会議の普及によって場所を選ばない働き方が可能となるほか、オンライン授業や遠隔診療、さらには行政サービスのデジタル化など、効率的に、より良質なサービスを受けることが可能となってまいります。

   DXは、このコロナ禍において、その必要性がさらに注目されてきておりますが、社会の高度化を進展させ、人々の生活を新しい時代に導く技術として、アフターコロナの時代においても、無くてはならないものになると考えております。

   以上を総合的に申し上げますと、このDXの技術を最大限に活用して経済発展と社会課題の解決を両立する姿が「Society5.0」の社会であり、これを実現したまちが「スマートシティ」でございます。

   また、これからの地方都市におきましては、DXを推進することで、大都市と同様の仕事と収入を得ながら豊かな自然の中において幸せに暮らす、いわゆる「デジタル田園都市」が、目指すべき姿になってくるものと展望しております。

   これを本市においては、集積した学術研究機能や、里山から田園、海まで広がる豊かな自然、多様な人材といった地域資源を活かして、人にも環境にも優しい持続可能な社会を表現したのがブランドメッセージ「やさしい未来都市 東広島」に込めているものでございます。

2 本市を取り巻く諸情勢

   次に、本市を取り巻く国内外の諸情勢について申し上げます。

   昨年は、米中対立が継続するとともに、日韓関係では依然として停滞が続く状況の中、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、人の接触が制限されたことに伴い、生産や物流はその機能が停滞し、世界経済は急速に減速しております。今年の世界経済は、コロナ禍からの正常化に向けて、緩やかに回復することが見込まれておりますが、新型コロナウイルスのワクチン接種の状況も影響してくるものと想定され、先行きは不透明な状況となっております。そのような中でも、今年1月に第46代米国大統領に就任されたジョー・バイデン氏は、パリ協定への復帰といった環境重視の政策や、新型コロナウイルス感染症対策の強化を進めるとともに、同盟国との連携強化を主張されており、今後の国際政治の安定が期待されております。

   国内経済に目を向けますと、今年1月に政府が発表した月例経済報告では、「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」とされており、先行きは、感染防止対策を講じる中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが期待されております。

   また、広島県内における昨年12月末時点の雇用情勢では、有効求人倍率が先月を0.03ポイント下回り、1.17倍となっており、求人が求職を上回って推移していますが、新型コロナウイルス感染症の影響により一層注意する必要がある、とされております。

   こうした中で人口の推移につきましては、東京都においては、11月時点で、5か月連続で転出超過となっており、人口の東京圏への一極集中に、歯止めがかかる傾向が窺えます。

   一方で、広島県の発表によりますと、県内の人口は、昨年、35年ぶりに推計人口で280万人を下回っており、出生者数を死亡者が上回る自然減に加え、転入者を転出者が上回る社会減が深刻で、人口減少が進む大変厳しい状況となっております。

   このような社会情勢も注意深く見極めていくとともに、国や県、関係機関をはじめ、まちづくりの主役である地域の各種団体の皆様との連携、協働により、効果的な施策の展開を目指してまいります。

3 基本認識

   次に、まちづくりにおける基本的な認識でございますが、社会が新たな時代に向かって動き出そうとする中、本市はまもなく、市制50周年というまちづくりにとって一つの節目を迎えます。これまで約半世紀の間、本市は、賀茂学園都市建設、広島中央テクノポリス建設という2大プロジェクトを柱としたまちづくりにより、一貫して人口の増加を続けるなど、着実な発展を遂げてまいりました。改めて、先人のご尽力に深甚なる敬意を表すものでございます。

   私は、本市のさらなる発展に向けた次の局面は、これまでのまちづくりを基盤としつつ、新たな価値観を創造していく都市像を描きながら、常に時代をリードし挑戦し続けていくまちの姿を追い求めていき、人々から「あの東広島市で何かが起こっている」、「あのまちでチャレンジしてみたい」と思われるようなまちの実現ではないかと考えており、これがとりもなおさず、将来都市像「未来に挑戦する自然豊かな国際学術研究都市」の姿でございます。

   そして、これを実現するための目指すべき2つの方向性が「世界に貢献するイノベーション創造のまち」と、「暮らし輝き笑顔あふれる生活価値創造のまち」であり、仕事づくり、暮らしづくり、人づくり、活力づくり、安心づくりの5つのまちづくり大綱に基づく施策については、局面に応じて的確に課題を見極めつつ、これを進化させていくことを重視し、着実に、かつスピード感を持ってチャレンジを続けてまいります。改めて関係団体や市民の皆様に、適切に情報発信を行いますとともに、幅広いご意見を賜りながら施策を講じてまいります。

   また、第五次総合計画では、地域の将来ビジョンとして地域別計画を定めております。9つの地域にはそれぞれ多くの地域特性があり、これこそが、地域住民にとってのかけがえのない財産であり、同時に地域づくりの大きな資源となるものでございます。地域別計画での方向性を踏まえつつ、次のステップとしましては、この将来ビジョンをより具体的なアクションプランとして形のあるものにしていく必要がございます。今年4月に新設する地域振興部を中心として、市民の皆様や各種団体の方々と活発な議論を重ね、このアクションプランの策定に向けて取り組んで参りたいと考えております。

   以上のような「施策別の振興策」と「地域別の振興策」は、言わば、縦と横の関係となって
施策を市内全体に浸透させることが、総合計画の実現への重要な鍵となるものであり、私の基本姿勢とするところでございます。

   議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援とご協力を賜ることができますよう、改めてお願い申し上げる次第でございます。

4 令和3年度当初予算の概要

   こうしたことを踏まえ、令和3年度の予算編成に当たりましては、「第五次東広島市総合計画」の将来都市像の実現に向け、全ての政策の根底にSDGsという新たな価値基準を持って、持続可能な発展と、共に支え合う共生社会の実現を目指すための予算といたしました。

   また、引き続き平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興に全力で取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止への対応も踏まえたものとしております。

   予算案の規模等でございますが、令和3年度当初予算は、「第五次東広島市総合計画」の5本の柱に基づき、重点施策に約198億円を計上し、この結果、一般会計の予算総額は、当初予算としては、令和2年度に次ぐ過去2番目、災害復旧費を除きますと、実質的には過去最大規模の889億2千万円となっております。

   この予算(案)を一言で表すなら、『やさしい未来都市 次なるステージへの加速』予算でございます。

5 主要施策

   それでは、5つの柱に沿った重点施策につきまして、その概要をご説明いたします。

   はじめに、5つの柱のうち、「仕事づくり」についてでございます。

   本市は、市内に立地する4大学をはじめ、多くの試験研究機関、学術研究機能が集積し、イノベーション創出の鍵となる知的資源に恵まれています。また、豊かな自然環境のもとで培われた農林水産業や酒造などの伝統産業、自動車関連産業や電子デバイス関連の先端産業などが基幹的な産業となり、本市の成長を支えています。

   これらの特色を活かし、知的資源と産業力で多様な「仕事」が生まれるまちの実現に取り組んでまいります。また、働き方改革の推進などにより、女性や高齢者をはじめとする多様な人材の就労環境の整備や社会進出を促進するとともに、仕事と生活を両立しながら自分らしく仕事に取り組むことができ、その仕事が新たな価値を生み、さらに創造的な仕事を生み出すような好循環の形成を図ることで、成長し続けるまちの実現を目指してまいります。

   まず、「産業イノベーションの創出」でございます。

   本市の強みである大学、試験研究機関、企業の集積を活かし、市内大学と企業とのマッチング、共同研究の促進、学生の参画など、大学と企業との共創の仕組づくりに取り組み、産業イノベーションの創出を加速してまいります。

   また、イノベーションラボ ミライノにおいて、女性の活躍促進、多様な手法による能力開発、起業家育成、ビジネススキル向上などに取り組み、イノベーションを担う多様な人材を育成してまいります。

   新たな取組みの例といたしましては、市内の企業ニーズの情報を集約し、適宜目利き人材のアドバイスも参考にしながら、大学と企業間を橋渡しすることで、共同研究へと繋げていく体制を構築してまいります。

   また、次世代人材の育成を目的に、最新の知見を大学で学ぶ学生と、専門知識の導入を志向する企業をマッチングすることで、課題の解決や組織の活性化を促進してまいります。

   さらに、新規事業に取り組む企業と、研究成果の実装を目指す大学をつなげることで、共同研究を推進し、大学の知的資産を活用した新たな価値の創出を図ってまいります。

   次に、「中小企業等の活力強化」でございます。

   東広島ビジネスサポートセンター「Hi-Biz」で無料の経営相談を実施し、企業の強みを引き出すことで、経営改善を支援してまいります。さらに、既存の相談体制を強化するため、相談スペースの拡張とIT、デザイン等の専門領域サポーターを増員いたします。また、コロナ禍における事業継続を支援するため、令和2年度に引き続き国県等の各種支援の活用をサポートするための相談窓口を開設いたします。さらに、地域特性を踏まえた効果的な支援を迅速に行うため、随時、経済状況をモニタリングできる体制を構築してまいります。

   次に、「農山漁村の魅力づくりと農林水産業の活性化」でございます。

   「地域社会の持続のための農林水産業の推進」では、次世代を担う農業経営者を確保し、地域農業の中核を担う人材の育成や、集落法人の農業の省力化技術の導入を支援し、経営の持続と安定を支援してまいります。

   「農林水産業の高収益化の推進」では、新たな東広島ブランドを展開するため、東広島ブランド地鶏や、JAグループとの連携による新規ブランド米の生産拡大と販売促進に取り組んでまいります。

   また、農業のデジタル化をテーマに、GIS等を活用した生産や流通・販売・消費等の多面的情報を見える化し、新たな農業テクノロジーの活用を推進してまいります。

   次に、「地域資源を活かした観光の振興」でございます。

   観光コンテンツ開発及び地域産業づくり」では、昨年6月に設立された「一般社団法人ディスカバー東広島」が本年4月から本格稼働いたしますが、このディスカバー東広島と連携し、新たな観光資源の発掘や地域の魅力を発信することで、新しい時代に対応した観光コンテンツの開発を行ってまいります。

   また、市民が市内を楽しむ地域循環型観光やマイクロツーリズムを推進するとともに、その魅力を余すことなくお届けするため、「まちの広報部」として学生ライター等による公式SNSでの情報発信を行ってまいります。

   次に、5つの柱のうち、「暮らしづくり」についてでございます。

   本市の特色である豊かな自然環境と利便性の高い居住環境が共存し、魅力的なまちを実現するためには、誰もがいきいきと活躍できる、快適な生活環境のまちづくりを推進することが必要です。

   そのため、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の視点に基づき、各地域の生活を支える拠点の形成を図り、生活交通ネットワークの充実や、生活に身近な生活道路網を構築するとともに、3R活動の推進による循環型社会の構築や、良質な水の安定的な供給、公共用水域の水質保全等に取り組んでまいります。

   また、それぞれの地域の個性を活かし、多様な市民が活動・活躍する市民協働のまちづくりを推進するとともに、言語や文化の違いにかかわらず、外国人を含む全ての市民が、相互理解のもと、地域でともに活躍できる多文化共生のまちを目指してまいります。

   まず、「安全で円滑な生活交通の充実」でございます。

   「生活交通ネットワークの充実」に向け、引き続きバス、タクシー、生活航路をはじめ、公共交通空白地有償運送や福祉有償運送など、多様な移動手段を組み合わせ、地域特性に沿った交通施策を展開することにより、公共交通空白地域の解消と利便性向上を図ってまいります。

   「市道、街路、国県道の整備・保全」では、道路・橋梁などのインフラについて、予防保全の取組みを一層推進することで施設の長寿命化を図ってまいります。

   また、拠点となる地域では、市民の利便性の向上を目的として、都市の骨格となる道路ネットワークの形成に向けた都市計画道路、西条中央巡回線寺家工区などの整備を進めてまいります。

   次に、「快適な生活環境の形成」でございます。

   SDGsの達成に向けた取組みといたしまして、「循環型社会の構築」に向け、ごみ減量化に向けた出前講座の開催を継続するとともに、広島中央エコパーク供用開始及び資源化促進のためのごみの分別種の見直し、それに伴う家庭ごみの出し方についての案内冊子の全戸配布に加え、新たに事業者を対象に廃棄物の区分、正しい処理手順について記載した案内冊子を全事業所へ配布するなど、啓発普及に努めてまいります。

   また、「東広島版ゼロエミッション」の実現に向け、学校給食センターや各家庭等から排出される食品残渣を回収して、民間事業者によりたい肥化する食品リサイクルループの構築を進め、資源循環の推進とごみ減量化による二酸化炭素排出量の削減を目指すとともに、10月に予定しております広島中央エコパークの供用開始が円滑に行えるよう、広島中央環境衛生組合及び関係事業者等と連携を図ってまいります。

   次に、「市民協働のまちづくりによる地域力の向上」でございます。

   市内9地域のそれぞれの地域特性、資源等を活かしたまちづくりを進めるための基礎調査を行い、第五次総合計画の地域別計画、まちづくりビジョンに掲げる施策・プロジェクトを具体化するなど、アクションプランとして形あるものに仕立ててまいります。

   また、学生協働による地域活動の活性化、地域情報力の強化、活動拠点の機能強化などソフト、ハードの両面で暮らしやすい魅力的なまちづくりを推進してまいります。

   次に、5つの柱のうち、「人づくり」についてでございます。

   あらゆる分野の活力の源泉は「人」であり、誰一人取り残すことなく、全ての人が尊重され、健やかに成長し、活躍できる環境こそ、まちづくりの基本であると考えております。

   また、変化する時代に柔軟に対応し、広く社会で活躍できる人材の育成を図るためには、子どもから大人まで、切れ目なく、様々な学びに触れ成長できる機会を持つことが重要です。

   そのため、乳幼児期における教育・保育の充実や、高い教育力と伝統を活かした学校教育の実践とともに、学術研究機関の集積等を活かした多様な学びの提供により、新たな価値を創造する人材の育成及び知的資源と国際性を活かした人づくりを推進し、市民一人ひとりが自らの個性や能力を最大限に発揮しながら、生涯にわたって充実した人生を送れるまちを目指してまいります。

   まず、「乳幼児期における教育・保育の充実」では、子どもの豊かな心と体を育む魅力ある保育環境づくりを推進していくとともに、保育現場を支える保育士等の資質向上のため研修体系の充実を図ってまいります。

   次に、「高い教育力と伝統を活かした学校教育の実践」でございます。

   「学校運営の支援と教育内容の充実」に向け、GIGAスクールにおける1人1台タブレットを活用した新たな学びを実現するため、情報機器やデジタル教材の充実及びその活用を推進してまいります。また、特色ある教育活動の支援や地域の教育力の導入を推進するとともに、学校統合や長寿命化に係る学校施設の整備に取り組んでまいります。また、令和2年度に引き続き、河内、志和の小中一体型施設の整備に取り組むほか、教育環境の充実に努めてまいります。

   「特別なニーズに対応した教育の充実」といたしましては、特別な支援が必要な児童生徒のため、教育補助員、教育支援員の増員を図るとともに、日本語指導が必要な児童生徒へのきめ細かな教育を推進してまいります。

   「地域と連携した青少年健全育成の環境づくり」といたしましては、不登校及び不登校傾向の児童生徒の生きる力を身につけ、成長できる居場所であるスペシャルサポートルームを、新たに2校整備し、小・中学校6校で取り組むほか、地域と学校が連携・協働し、幅広い地域住民の参画により運営する「放課後子供教室」の充実を図ることで、地域全体で未来を担う子ども達の成長を支える体制の構築につなげてまいります。

   次に、「市全体が「学びのキャンパス」となる環境づくり」でございます。

   「生涯を通じて地域で学び、活躍できる環境の整備」では、図書館が、今後も地域の情報拠点として、市民のニーズに対応した幅広い資料の収集・整理・提供を行うことができるよう、ICタグによる図書の管理やICシステムの導入による図書館運営のICT化を進め、電子図書の拡充などウィズコロナの時代に対応した環境整備により、市民の皆様に安心して
図書館をご利用いただけるよう努めてまいります。

   「芸術文化活動の活性化と歴史・文化の継承」では、市内に分散した文化財関連施設を集約することで、利用者の利便性を高めるとともに、文化財の適切な保護・保存を行うほか、公開活用により、その魅力を発信してまいります。

   また、東広島市の歴史を明らかにし、市民の「地域の歴史や文化」に対する理解と愛着を深めるとともに、後世に伝えるため、「東広島市史」の編さんに着手することといたします。

   次に、5つの柱のうち、「活力づくり」についてでございます。

   未来を見据え新たな活力を生み出していくためには、これまで培ってきた本市の特性を、多方面に幅広く、かつ効果的に発揮し、学術研究機能や多様な人材の交流から、さらに新たな活力が湧きだすまちづくりを推進する必要がございます。

   この学術研究機能の発揮に向け、この地を研究者や学生などが研究や実践のフィールドとしていくとともに、多くの人々が集い、憩う場として広く内外から支持される中心市街地の魅力づくりを推進してまいります。

   また、都市としての成長に資する新たな産業用地の確保、移動手段としての基幹的な交通ネットワークの強化とともに、環境との調和のもとで、先進的なプロジェクトが次々とこの地で生まれ、さらに展開していくような創造のまちを目指してまいります。

   まず、「学術研究機能の発揮による都市活力の創出」でございます。

   「大学等の知的資源を活かしたイノベーションの創出環境の充実」では、広島大学と「Town&Gown構想」の取組みの充実を図るほか、アリゾナ州立大学グローバル校の開設を見据え、広島大学周辺エリアを中心とした新たな都市機能の検討などを含む「次世代型学園都市づくり」の構想にも着手してまいります。

   「大学との連携によるまちづくりの推進」といたしましては、近畿大学工学部及びエリザベト音楽大学と、新たな連携体制を構築し、大学の知的資源を活かした魅力あるまちづくりに向けた取り組みを行ってまいります。

   次に、「多様性豊かな市民の力が輝くまちづくり」でございます。

   「移住・定住の促進とにぎわいや交流の創出」では、地域の特長を積極的に発信し、本市が選ばれるためのブランドイメージを定着させるとともに、周辺地域の人口減少に歯止めをかけるため、東京圏を中心とする都市圏からのUIJターンによる起業・就業者などに対する相談・支援体制を構築し、地方回帰を促進してまいります。

   また、「道の駅によるにぎわい創出」では、本市のゲートウェイとして交流の起点となる「道の駅 西条 のん太の酒蔵」の令和4年度の開業に向け、直売所やレストラン、子ども向け屋内遊戯場等を備えた地域連携施設を整備するとともに、地震等の大災害が発生した場合は、近隣市町も含めた広域的な防災の中継基地として、災害時にも道路利用者等が安全に安心して施設を利用できる環境を整えてまいります。

   次に、「環境に配慮した社会システムの構築」では、脱炭素化の推進といたしまして、中小企業に対して省エネアドバイス、省エネ診断、省エネ技術提供及び設備改修等に係る各種補助申請等を支援するとともに、企業ニーズの把握も行ってまいります。なお、この事業にエントリーする事業者には、COOL CHOICE、SDGs未来都市東広島推進パートナー制度への賛同を要請することで、二酸化炭素の排出量の削減に向けた啓発も併せて行ってまいります。

   また、EV自動車の普及促進を図るため、市内商業施設等への急速充電器の整備支援制度を創設することで、市民の皆様にEV自動車購入に対する安心感を与えられるよう、令和8年度までに設置箇所の倍増を目指してまいります。

   次に、「未来を感じるプロジェクト挑戦都市」では、本市の各種手続き、例えば小中学校等の出欠連絡、アンケート調査、イベント予約から、災害時の避難勧告・避難指示の通知などを可能とする市民ポータルサイトを構築し、市民サービスのデジタル化により、一層利便性の高い行政サービスの提供を、初年度は利用登録者数2万人を目指し、本市行政のDXの基盤として整備を進めてまいります。

   そして、5つの柱のうち、「安心づくり」についてでございます。

   災害に強い強靭な生活基盤づくりと、安全・安心な市民生活の実現には、行政、関係機関及び地域が連携した防災・減災対策に取り組むとともに、犯罪及び交通事故の未然防止や、迅速かつ的確な対応が可能な消防・救急・救助体制の確立を進め、自助・互助・共助・公助によって安心した生活を送れるまちの実現を目指してまいります。

   また、総合的な医療体制の確立とともに、住み慣れた地域で生涯元気に暮らし続けることができるよう、健康寿命の延伸により、生涯現役社会の実現に取り組んでまいります。

   さらには、少子高齢化社会が進展する中で、地域共生社会の実現を目指し、医療・福祉・介護の様々な担い手が連携し地域で支え合い、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めることが、誰もが幸せを実感でき、住みたくなるまち、住み続けたいまちの実現に繋がるものと考えております。

   まず、「災害に強い地域づくりの推進」でございます。

   「災害対応力の強化」といたしましては、早期に災害関連情報を把握し、適切な避難行動に繋げるため、防災情報システムの情報収集機能の強化を図ってまいります。

   「地域防災力の強化」では、住民自治協議会や自主防災組織と連携したうえで、土砂災害や洪水による浸水等の危険区域に居住する世帯に対し、出水期前にハザードマップの配布と併せ、個別通知による重点啓発を行うことにより、早期の避難行動に繋げることで、人的被害を未然に防いでまいります。

   「防災・減災のための基盤整備」といたしましては、急速な宅地開発と、近年の集中的な豪雨により、浸水被害が発生している黒瀬川上流部の深堂川及び中川流域において、雨水貯留施設の整備に着手することで、洪水調整能力の向上を図り、総合治水対策を推進してまいります。

   次に、「誰もが生き生きと暮らせる地域共生社会の実現」でございます。

   「地域包括ケアシステムの深化・推進」といたしましては、これまで直営で運営してまいりました地域包括支援センターを、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援が一体的に提供されるよう、地域資源の活用による地域共生社会の実現を進めていくことを目的に、委託型に変更してまいります。

   今後の予定としましては、令和3年度に八本松と北部の2圏域を市内の社会福祉法人に委託するとともに、続いて、残る6圏域についても、早期に委託を進める計画としております。なお、その際、全域の後方支援を担う基幹型地域包括支援センターについては、市が直営してまいります。

   「障害者の自立支援」では、関係機関と連携し、障害特性に応じた働く場の確保から、就労先とのマッチング及び就労定着を支援するコーディネーターを配置することで、障害者の経済的な自立や生きがいづくり等、社会参加を促進してまいります。

   「地域での支え合いの促進と総合的な相談支援体制の構築」といたしましては、地域活動の促進を図るため、年齢や属性にかかわらない共生型の居場所づくりや互助活動に取り組む地域を支援してまいります。

   また、地域共生社会について幅広い世代への啓発を図るため、従来の広報紙やホームページに加え、新たにSNSやYoutubeなど、様々な媒体を使った啓発にも取り組んでまいります。

   次に、「安心して子どもを産み育てられる環境づくり」でございます。

「妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援体制の構築」といたしましては、妊娠や母子保健の相談窓口となる「地域すくすくサポート」と子育て中の親子の交流や相談・情報提供を行う「地域子育て支援センター」を子育て世代の多い西条寺家エリアの商業施設内に新設する予定としております。新設の「地域子育て支援センター」では、民間による放課後児童クラブの運営も行い、受入体制の充実を図ってまいります。

   また、世代間交流など地域共生に取り組むひろば型の子育て施設の開設についても支援するとともに、乳幼児医療費の通院に係る支給対象を小学校6年生まで拡大するほか、特定不妊治療に対する助成制度を創設します。

   「保育環境の充実」では、「保育所等配置基本計画」に基づき公立保育施設の老朽化対策や衛生環境の改善を図るため、三津保育所改修工事及び6施設のトイレ改修工事の実施設計を行ってまいります。

   また、保育士の定着を図るため、勤続経過後に給付金を支給する「保育士定着応援給付金」制度を創設し、保育の質の向上に向けたアクションプランに基づく研修の実施や、施設の環境整備等と並行して保育士確保に取り組んでまいります。

   以上が、令和3年度予算の概要でございまして、一般会計予算は、先に申し上げました通り、889億円余といたしております。

   この財源といたしましては、市税が345億円余、地方交付税49億円、国・県支出金が211億円余、市債が103億円余などでございます。

   また、特別会計は7会計で317億円余、水道事業会計予算は、63億円余、下水道事業会計予算は、117億円余といたしております。

   これら新年度予算20件以外の議案といたしましては、人権擁護委員の候補者の推薦に係る「諮問」が5件、監査委員の選任に係る「同意案」が1件、押印等を求める手続の見直しのための関係条例の整備など「条例案」が18件、本年度の執行見込等に伴う「補正予算案」が10件、財産の無償譲渡など「その他」の議案が14件、全体では68件の議案を提出いたしております。

   議員各位におかれましては、どうぞ、慎重にご審議いただいたうえ、適切なるご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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