緊急時の救急隊への情報伝達について
東広島医療センター麻酔科近藤先生からのご提案!
東広島市消防局では、年間を通して東広島医療センターの手術室にて、救急救命士が行える救命処置のひとつである「気管挿管」の実習を行っております。そして、その指導にあたってくださるのが、麻酔科の先生たちです。
今回、市民の皆様にお伝えする「メディカルID」の情報は、その実習中に東広島医療センター麻酔科の近藤先生から教えてもらったことで、市民の皆様にとって大変有益な情報であると感じ、ホームページ上で公開させていただきました。
救急隊は、各医療機関の医師、看護師などの医療スタッフとともに、市民の生命を守るため、今後も訓練に努めるとともに、有益な情報があれば、市民の皆様にお伝えしていきます。

東広島医療センター麻酔科 近藤医師
【近藤先生からのコメント】
東広島医療センター麻酔科の近藤と申します。当院手術室で挿管実習を行う救急救命士の方々と意見交換をする中で、救急現場において「どのような患者が救急要請をしているのか」という情報の重要性を共有しております。特に、現場で患者情報が得られない場合、搬送先での対応が難航するケースがあるため、事前情報の収集や共有が非常に重要であると感じています。
所有物の中に財布など個人情報が含まれていれば患者情報を得ることが可能ですが、スマートフォン1つのみを所持して外出された場合など、患者情報を把握できないケースも少なくありません。このような場合に、スマートフォンを活用して患者情報を入手する方法を病院側や救急隊の方々が共有・理解しておくことで、より適切な治療につながると考えています。
ただし、スマートフォンを利用した患者情報の取得には事前の準備が必要となるため、このような形で情報を提供させていただきました。患者情報の重要性をご理解いただき、可能な範囲でスマートフォンを用いた事前準備にご協力いただけますと、より質の高い医療を提供できると考えております。今後とも、地域医療の発展に全力で貢献してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
救急隊へ情報がスムーズに伝わる方法
救急事案というのは、いつ何時、誰に発生してもおかしくはありません。万が一、外出中などに交通事故に遭ったり、病気になってしまったときに、その怪我の状態や身体の状態によっては、自分のことや家族などの緊急連絡先を上手く救急隊に伝えることができないかもしれません。
そんな時、自分自身の健康に関する情報、いつも飲んでいるお薬、お名前や生年月日などの個人情報、緊急時の連絡先などを救急隊に迅速に伝えることができれば、搬送先の選定や、その後の治療、家族への連絡などがスムーズに進むことが期待されます。
そこで、役に立つのが、多くの皆様が所有されている「スマートフォン」です。こちらに事前に緊急時に役立つ情報を登録しておけば、たとえ自分が伝えられない状態であり、スマートフォンのロックがかかった状態でも確認することが可能となります。
「スマートフォン」は大きく分けて2種類あり、「iPhone」と「android」がありますが、いずれの機種にも同様のアプリが最初から端末に搭載されていることをご存じでしょうか。

まずは「iPhone」の場合です。
「ヘルスケア」アプリの中に、「メディカルID」という機能が搭載されています。こちらに事前に健康に関する情報、お名前、生年月日、普段飲まれている薬、アレルギー情報、緊急時の連絡先などを登録しておけば、いざというときにスマートフォンのロックがかかった状態でも救急隊や、医療従事者が情報を確認することができます。
詳細については、次のリンクからご確認ください。
https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iph08022b192/ios
https://iskguide.com/useful_medicalid/
ただし、iOS8以前のiPhoneには搭載されていないことがありますので、ご了承ください。

次に「android」の場合です。
こちらはスマートフォンの「設定」アプリから設定することが可能です。こちらも「メディカルID」と同じような情報を登録することが可能となっております。
詳細については、次のリンクからご確認ください。
https://www.android.com/intl/ja_jp/articles/36/#section-2
https://aprico-media.com/posts/4029
ただし、お持ちのスマートフォンの機種によっては設定できない場合がございますので、詳しくは購入されたお店などでお尋ねくださいますようお願いいたします。
【メディカルID等の悪用について】
メディカルID等に登録した情報や緊急連絡先は、ロックがかかった状態でも、誰でも見ることができてしまいます。うっかりどこかにスマートフォンを置き忘れ、その間に悪意のある第3者が情報を盗み見るリスクはゼロではありません。
このようなリスクと、緊急時に医療従事者へ情報共有できるメリットを考慮し、実際に使用されるかどうかは、市民の皆様が個々でご判断いただきますようお願いいたします。
また、個人情報が漏れることが心配な場合、リスクを軽減させる方法の1つとして、細かすぎる情報は入力しないこと、医療関係者がわかる範囲の記述とすること、緊急連絡先の氏名をニックネームなどにしておくことなどが考えられます。
この記事に関するお問い合わせ先
消防局 警防課 救急対策係
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更新日:2025年02月01日