古墳時代に大きな集落?(東広島市西条町御薗宇)
前長者遺跡(まえちょうじゃいせき)東広島市西条町御薗宇
前長者遺跡は、長者スクモ塚古墳群の約150メートル東側の低丘陵の斜面に位置します。
宅地開発工事に伴い、発掘調査を3期にわたり実施しました。
第1次調査 2005(平成17)年では、古墳時代後期の造り付けのカマドを伴う方形の竪穴住居跡が3軒確認されています。
第2次調査 2019(令和元)年では、6世紀末~7世紀初頭の時期の造り付けのカマドを伴う方形の竪穴住居跡3軒と、その住居跡に近接する位置に掘立柱建物が4軒確認されました。
遺物では、東広島市内で助平3号遺跡(西条町御薗宇)、御土居遺跡(高屋町白市)に続き3例目となる滑石製鋸歯文紡錘車が出土しました。
第3次調査 2022(令和4)年では、古墳時代後期の大きな掘立柱建物跡1棟、近代以降に造られたとみられる道などが見つかっています。
第3次調査で確認された掘立柱建物は、この遺跡では初めての総柱の建物で、倉庫と考えられます。
このことから、本遺跡には大量の食糧や資材を備蓄できる倉庫を持った、古墳時代後期を中心とする大きな集落が存在していたとみられます。
第3次調査区 発掘作業の様子
第3次調査区 総柱の掘立柱建物跡

遺構配置図
第3次調査区全景
この記事に関するお問い合わせ先
生涯学習部 文化課 東広島市出土文化財管理センター
〒739-2201
東広島市河内町中河内651番地7
電話:082-420-7890
ファックス:082-437-0320
- このページが参考になったかをお聞かせください。
-
更新日:2023年10月03日