小規模校の地域特性に配慮し、ニーズに即した教育環境を求める意見書

更新日:2016年11月29日

小規模校の地域特性に配慮し、ニーズに即した教育環境を求める意見書

 米国の金融危機に端を発する世界的な景気後退や急激な円高により、我が国経済は輸出産業をはじめ様々な産業分野において深刻な影響を受けている。県内においても、企業の倒産、非正規労働者の「雇い止め」や学卒予定者の内定取り消しなどが発生し、今後、さらに景気や雇用情勢の悪化が懸念され、県民の生活不安が高まっている。

このような状況の中で、経済的に負担が少なく自宅から通学できる地元の県立高等学校の必要性がますます高まっている。

県教育委員会は、昨年6月13日に開催された教育委員会会議において「県立高等学校再編整備計画(平成21年度~平成25年度)」を決定し、その中で、適正規模の学校を1学年4学級から8学級とし1学年3学級以下の学校 (現在29校)を小規模校と位置づけ計画的に統廃合を推進するとしている。

また、今年5月8日の教育委員会会議及び5月19日の県議会文教委員会で「小規模化した県立高等学校(全日制)の学校間の連携の在り方について」が提示され、一定の生徒数の確保が難しい小規模校については、近隣の複数小規模校の学校間の連携や適正規模校の分校とすることの説明があったと聞き及んでいる。

この「県立高等学校再編整備基本計画」が、真の教育議論からではなく財政縮減の議論から出されたのであるならば、広島県教育及び地域の未来が憂慮される。これまで、地域とともに歩み、地域の担い手を育んできた県立高等学校を統廃合・分校化の名の下に社会情勢や地域特性を無視して切り捨てることは、教育を受ける権利を保障した憲法26条及び教育基本法の精神に反するとともに、学びの選択肢を理不尽に抑制するものと言わざるを得ない。

特に、小規模校が集中する中山間部や島しょ部の県立高等学校は、地域の子どもたちの高等学校教育を保障し、地域コミュニティや地域産業に多くの担い手を育んできた。

近年、道路交通網等が整備されてきたとはいえ、地域から県立高等学校が無くなれば保護者や生徒たちの時間的・経済的・肉体的な負担は計り知れない。また、通学に時間がかかることから勉強や部活動にも支障をきたすことは明らかである。様々な要因で所得が減少する中、経済的負担の少ない公立学校へのニーズは高まっている。いまこそ教育の重要性や様々な教育課題がある中、説明責任を果たし、論議をつくしたうえで再編整備が決定されるべきである。

 ついては、次の事項について、強く要望する。

 

0.東広島市内の小規模高校(豊田、賀茂北、河内)については、市内中学校卒業者数の推移や県立高校の配置状況などを考慮し、統廃合や分校化の対象としないこと。

0.賀茂北高校、河内高校の地元率を勘案するにあたっては、大多数の生徒を東広島市の中学校の卒業生(賀茂北・約95%、河内・約66%)で占めており、この実情に特段の配慮をすること。なお、豊田高校の前身は竹原高校の安芸津分校と安浦分校が統合された学校であり、安芸津・安浦中学校の卒業生の割合は今年度は50%であるが、これに竹原中学校の卒業生を含めると80%にも達する。また、同校は募集が削減されて以降、受検倍率が高く今年にいたっては選抜2で1.79倍と県内トップとなっていることで分かるように、地域ニーズが非常に高い状況にある。生徒や保護者・地域の不安を払拭するため、募集定員を増やすなど教育条件を整えること。

0.「県立高等学校再編整備基本計画」の推進にあたっては、機械的に一律な線引きをせず、経済状況・地域性(公共交通・地理的条件)などを考慮し、当該校の生徒、保護者、教職員及び地域住民の意見を充分に聴く場を設定し地域の合意を得た上で進めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年6月24日

東広島市議会

広島県知事  
藤田 雄山 様

広島県議会議長
林 正夫 様

広島県教育委員会委員長
天野 肇 様

広島県教育委員会教育長
榎田 好一 様

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