B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書

更新日:2016年11月29日

B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書

 わが国のB型・C型肝炎感染者・患者は約350万人と推定され、その大半は血液製剤の投与、輸血、集団予防接種や治療時の注射器の使い回しなどの医療行為による感染であり、国の責任による医原病とされる。B型・C型肝炎は慢性肝炎から高い確率で肝硬変・肝がんに進行する重大な病気である。肝炎患者の大半はインターフェロン治療の助成以外は何の救済策もないまま、病気の進行、高い治療費負担、生活困難にあえぎ、毎日約120人の患者が亡くなっている。感染に気付かず、治療しないまま肝炎が進行している人も少なくない。

 平成20年1月に施行した「特定C型肝炎ウイルス感染被害者救済特別措置法」では、カルテなどによる血液製剤投与の証明が条件のため、発症に気付いた時にはカルテの保存期間義務の5年が過ぎており、ほとんどの患者は救済の対象から除外されている。

 また、集団予防接種等における注射器の連続使用が原因で感染したB型肝炎ウイルス感染者については、今年1月に「特定B型肝炎ウイルス感染者への給付金支給に関する特別措置法」が施行されたものの、救済要件を満たすことを証明して和解することが可能な患者は3万人程度で、大多数の患者は救済されないと見込まれている。

 このように、現行法によって法的救済・補償を受けられる患者はごく一部であり、大多数の患者・遺族は何の補償もない状況に置かれている。すべてのB型・C型肝炎患者に対して国が感染被害を償い、肝炎患者がいつでも、どこでも安心して治療を続けられるために、一日も早く肝炎治療と生活を支える公的支援制度を確立することが求められている。

 平成22年1月に施行された肝炎対策基本法は「国及び地方公共団体は肝炎患者が必要に応じて適切な肝炎医療を受けることができるよう、経済的負担を軽減するために必要な施策を講ずるものとすること」のほか、肝炎予防・肝炎検査の促進、医療機関の整備、肝炎患者・家族への支援などの肝炎対策に取り組むよう求めている。

 よって、国会及び政府におかれては、B型・C型肝炎患者を救済するため、次の事項について速やかに必要な措置を講じるよう強く要望する。

  1. 肝炎対策基本法に基づき、患者救済に必要な法整備、予算化をすすめ、全患者の救済対策を実施すること。
  2. 肝炎治療薬、検査費用、通院費への助成をはじめ、肝炎治療と生活を支えるための公的支援制度を確立するとともに、肝硬変・肝がん患者に均しく障害者手帳を交付するなどの支援策を進めること。
  3. B型・C型肝炎の治療体制・治療環境の整備、治療薬・治療法の開発促進、治験の迅速化などをはかること。
  4. 肝炎ウイルスの未検査者、ウイルス陽性者の未治療者の実態を調査し、早期発見・早期治療につなげる施策を講じるとともに、ウイルス性肝炎への偏見差別の解消、薬害の根絶をはかること。
  5. 「特定C型肝炎ウイルス感染被害者救済特別措置法」の期限を延長するとともに、カルテ以外の記録、医師らの証明、患者・遺族の記憶・証言などをもとに、特定血液製剤による感染の可能性のある薬害C型肝炎患者を広く救済すること。
  6. 集団予防接種が原因とされるB型肝炎患者の救済策を講じること。
  7. 医原病であるB型・C型肝炎の死亡者に一時金を、また患者および感染者には健康管理手当などを支給する法制度を確立すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成24年6月26日

東広島市議会

衆議院議長
横路 孝弘 様

参議院議長
平田 健二 様

内閣総理大臣
野田 佳彦 様

法務大臣
滝 実 様

財務大臣
安住 淳 様

総務大臣
川端 達夫 様

厚生労働大臣
小宮山 洋子 様

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