核兵器禁止条約に署名・批准し、核兵器廃絶に向けた取り組みを求める意見書

更新日:2019年01月25日

核兵器禁止条約に署名・批准し、核兵器廃絶に向けた取り組みを求める意見書

昨年7月7日、国連会議で、核兵器禁止条約が国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の賛成で採択され、「核兵器のない世界」への歴史的な一歩を踏み出しました。そして現在、条約署名国は58カ国に達し、その発効に向け大きく前進しつつあります。
この「核兵器禁止条約」の前文では、核兵器の非人道性を厳しく告発し、国連憲章、国際法、国際人道法に照らして、その違法性が明確に述べられるとともに、被爆者や核実験被害者への救済を行うことも明記されており、被爆国、被害者の切望に応えるものとなっています。
第1条では、核兵器の法的禁止の内容、使用の威嚇などが禁止され、第4条では、核兵器保有国や核の傘のもとにいる国々が参加する余地をつくり、核兵器の完全廃絶に向けた枠組みが明確にされており、核兵器保有国が条約に参加する道が開かれています。
私たち東広島市民は、1945年8月6日の原子爆弾によって被災した被爆者の救援・救護にあたり、その悲惨な被害の実相に触れてきました。1985年には市議会が全会一致で発議した「平和・非核兵器都市東広島市宣言」を採択し、核兵器廃絶と平和を希求するまちづくりを進めるとともに、2006年4月には「日本非核宣言自治体協議会」に加入し、他の自治体と連携し、核兵器廃絶にむけた努力を重ねてきました。
こうした議会と行政の姿勢は、毎年7月、原爆の惨禍から核爆弾の脅威を学び、被爆体験を聞き、受け継ぎ、核兵器の根絶と平和への願いの輪を拡げるための全小中学校の児童・生徒代表による「平和学習バス」や8月の「原爆展」などにつながり、今日に至っています。文字通り、市民・議会・行政一体の取り組みが、核兵器廃絶の国際的な世論形成の一翼を担ってきたと言えます。
2017年のノーベル平和賞を「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞したことは、世界の世論が一刻も早い同条約の発効を期待しているあらわれです。ICANのベアトリス・フィン事務局長は「日本は唯一の戦争被爆国として禁止条約に参加することで、世界の核軍縮のリーダーとなり得ます」と日本政府に対する期待を述べています。
北朝鮮の核開発をめぐり国民の懸念が増大している一方、非核化交渉進展に向けた新たな動きが見られる今こそ、政府には、核兵器のない世界を目指すリーダーシップが求められています。政府の「核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務める」と、自ら明言したとおりの積極的な行動が必要です。
よって、政府におかれましては、以下の事項を実施されるよう強く要望します。

1 日本政府は、唯一の戦争被爆国として、一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成30年7月2日

東広島市議会

衆議院議長 大島 理森 様

参議院議長 伊達 忠 一 様

内閣総理大臣 安倍 晋三 様

外務大臣 河野 太郎 様

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