大谷忠幸議員に対する辞職勧告決議

更新日:2020年06月10日

大谷忠幸議員に対する辞職勧告決議

我々東広島市議会議員は、議員として市民から厳粛な信託を受けた市民全体の代表者及び奉仕者として、その立場と職責の重さを深く自覚し、法令を遵守し、高い倫理観と見識をもって、市政の発展と住民福祉の向上に努めていかなければならない。

東広島市議会基本条例にも、「議員は、不断の自己研鑽に努め、多様な市民の、多様な意見を、多様に代表する合議機関の一員として、市民との活発な意見交換を図り、自らが得た意見を議員同士の自由な討議をもとに論点や課題を明らかにし、市民本位の立場で意見を集約していく必要がある。」と定められており、議会の会議に出席し、執行部への質疑、議員間での討議を通じて、市の政策に対する意思決定を行うことは、最も重要な職責である。

しかしながら、大谷忠幸議員は、令和元年10月23日に本会議を途中退席した後、令和2年3月3日の一般質問において自らの意見を述べるときだけ出席し、その他の本会議、委員会等を正当な理由なく長期間にわたり欠席し続けており、その期間中に、本市や本市議会、事業者等を誹謗中傷し、すべてにおいて自らを正当化し、意にそぐわない相手を「悪人」扱いした表現を含んだ文書を作成し、市内はもとより全国各地に配布・送付したうえ、市職員に長時間にわたって文書の内容を話したり、「社会実験」と称して、窓口等で応対した職員に英語でしか話さずに困らせるなどの言動をとっている。

このような中、市民からは59名の連名で、2月26日に、大谷忠幸議員に対し厳正な対処を求める陳情書が市議会に提出された。

また、2月27日には、東広島市議会議員政治倫理審査会が設置され、4月17日までの間に、計8回の会議を開催し、大谷忠幸議員の行為について、政治倫理条例に抵触するかどうか審査を行った。

その結果、長期間にわたる本会議、委員会の欠席については、公職者たる議員としての根本的な意識・姿勢に欠け、その責務をまったく果たしていない。また、その言動は、市民からの厳粛な信託を受けた市民全体の代表者としての規範意識が欠如した行為であり、市民感情からしても、けっして許されるものではないと判断された。

また、こうした行為を容認すると、市民の市議会に対する信頼を著しく失墜させるとともに、議会として機能しなくなるものであるため、事態の重大さを真摯に判断し、「議員辞職の勧告」をすべきとの結論に至り、議長は、この政治倫理審査会の決定を尊重し、4月28日付けで大谷忠幸議員に辞職勧告を行った。

この政治倫理審査会の決定に対して、大谷忠幸議員は4月23日付けで政治倫理条例に基づく意見書を提出したが、その中で自身のこれまでの行為を反省することは一切なく、逆に「議員は辞職せず、残り3年間の議員任期の間、全力を挙げて議員の職務を全うする。」と宣言したうえで、「現在の東広島市議会の東広島市役所へのチェック機能は機能していない」、「委員会、本会議への出席や議員が行う一般質問、代表質問は儀礼であり、議員の存在感を市民に示すデモンストレーションに過ぎない。」、「東広島市議会の存在する東広島市役所本館九階フロアに敢えて行く必要は全くない。」、「『虚業』しかしていない東広島市議会議員の皆様から、『議員辞職の勧告』なんて受ける言われはない。」、「『議員辞職の勧告』なんて片腹痛い。」などと主張し、我々市議会議員を批判することで、これまでの一連の行為を正当化した。

このような主張自体が「言論の府」といわれる議会、そして主権者の代表として選挙で選ばれた議員の職責を無視したものであり、かつ、大谷忠幸議員以外の29名の東広島市議会議員を侮辱し、東広島市議会の歴史と尊厳を傷つけるのみならず、地方自治制度の根幹をなす、地方議会制度そのものを否定する行為であると言わざるを得ない。

さらに、議長から辞職勧告を受けたにも関わらず、4月30日、執行部を訪問した大谷忠幸議員は、対応した職員に対し、時々大きな声を出して威圧し、また、市長室に向かおうとする大谷忠幸議員を引き留めようとした職員の肩を突き、5月1日には、許可なく市長室に入室しようとする大谷忠幸議員を制止した職員を振り払って市長室に入室したと聞き及んでいる。

その後も、大谷忠幸議員は、令和2年第1回東広島市議会臨時会の全ての本会議、常任委員会を、正当な理由なく欠席し、臨時会開催中に市庁舎前で拡声器を使って新型コロナウイルス感染症対策に対する国・県・市の対応への批判と自身の主張を演説するとともに、通行人へビラを配布し、同様の行為を7日間にわたり、連日、午前8時頃から午後7時頃まで行った。このことについては、市民から出所不明の情報や騒音に対する苦情の声が上がったところである。

この街頭演説と本会議等の欠席に対する議長からの注意文書に対しても、市の新型コロナウイルス感染症対策を批判するとともに、我々市議会議員を侮辱する内容の回答書が提出された。

こうした一連の行為から、大谷忠幸議員は、議長による辞職勧告を受けた後も、これまでの自身の行為に対する反省の姿勢は皆無であると判断せざるを得ない。

東広島市議会は、本日までの間、幾度となく、電話や手紙また本人の自宅に出向くなどの方法により話し合う機会を準備し、事態打開に向けた努力を行ってきた。そうした機会を、大谷忠幸議員はすべて無下にし、今日まで事態を悪化させることとなったのは残念でならない。

この度の政治倫理審査会の審査結果は、極めて重大であり、その後の経過を鑑みても、大谷忠幸議員のこれまでの行為は、議員としての最も重要な職責を放棄したものであり、議員としての規範意識が著しく欠如しているものと言わざるを得ない。市議会に対する市民の信頼を著しく失墜させており、このまま市議会議員の職にとどまることは、市民感情からしても断じて許されるものではない。

よって、大谷忠幸議員は、事態の重大さを真摯に受け止め、自らの意思により直ちにその職を辞することを勧告する。

以上、決議する。

令和2年6月10日

東広島市議会

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