ユニバーサルデザインに配慮したトイレの環境整備に関する決議
ユニバーサルデザインに配慮したトイレの環境整備に関する決議
高齢者、障がい者等の施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、公共の福祉の増進に資することを目的として、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」が平成18年に制定され、ハード・ソフト施策の充実や、高齢者・障がい者等を含む全ての人が暮らしやすいユニバーサル社会の実現を目指している。この法律の施行以降、高齢者・障がい者等を区別しない全ての人が利用可能な環境づくり(ユニバーサルデザイン)が求められるようになりつつある。
そして、令和3年3月には国土交通省において、「標準的なスペースでの対応が困難な重度の障害や介助者の利用を想定した整備を考慮すべき」という指針が示され、建築物のバリアフリー化の一層の推進のため、「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」が改正され、車椅子使用者用便房の大きさについて、重度の障がい者や介助者の利用を想定した見直しを行うこととしている。
このように、国においても、誰もが安心して快適に利用できる環境を実現するため、全ての人にとって使いやすい建築物の整備が図られるなど、様々な取組が進められているが、本市の現状は、多くの多目的トイレが重度の障がいのある方や介助者等にとって利用しやすいものとなっておらず、また、公共施設においてもユニバーサルシートや十分なスペースが確保されたトイレの数が少なく、当事者にとって安心して外出できる環境が充分に整っていないものと考えられる。
そのため、地域共生社会の実現を目指す本市において、まずは市が率先して市営の公共施設にユニバーサルデザインに配慮したトイレの環境整備に取り組むことに意義があり、各部署が連携してスピード感を持って進める必要性がある。また公共施設だけでなく、市民にとって身近な生活圏内にある民間事業者の施設においてもユニバーサルデザインに配慮したトイレの環境整備が求められる。あわせて、トイレの設備や場所について、分かりやすい情報提供の実現が期待されている。
このことは障がいの有無に関わらず、子育てや介護をされている方、また、高齢の方など全ての人が安心して外出を楽しめるまちづくりにもつながる。そして東広島市内だけでなく、近隣市町からも「やさしいまち」として認識されることで、外出先として選ばれ、活気のあるまちの実現にも寄与するものと考えられる。
これらを踏まえ、本市議会は、次に掲げる事項について強く求めるものである。
1 今後新設する公共施設における多目的トイレに十分なスペースを確保すると共に、必要性や用途に応じてユニバーサルシート等を設置し、標準的なスペースでの対応が困難な重度の障がい者や介助者の利用を想定した整備を行うこと。
2 ユニバーサルデザインに配慮したトイレの環境整備に関する民間事業所等との勉強会の実施や、新設又は改修する際の助言、ノウハウの提供を行うこと。
3 公共施設と民間施設が有するトイレの設備情報と位置情報が、一目で把握できる分かりやすい情報提供方法を実現すること。
以上、決議する。
令和6年9月19日
東広島市議会
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東広島市議会 議会事務局
〒739-8601
東広島市西条栄町8番29号 本館9階
電話:082-420-0966
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更新日:2024年09月19日