市史跡 二馬手塩田跡 樋の輪
江戸時代の姿を伝える塩田遺構


安芸津町には江戸時代から近代にかけて沿岸部に塩田が開発されました。
そのうちの一つである木谷村の二馬手では江戸時代の元禄期(1688~1704)に入浜塩田が開発され、昭和5年(1930)の廃止まで運営されました。
「二馬手塩田跡 樋の輪」は、その入浜塩田の遺構の一つであり、塩田に海水を取り込むための取水口を、外海の風波から守るために作られた石堤です。
半円形の石積で樋を囲み、かつ石の間から海水が自由に出入りできるように、比較的粗めに積まれています。
樋の輪がいつ頃生まれ、どのように拡大したのかは、学術上ほとんど明らかではありませんが、明治16年作成の木谷村地籍全図にこの樋の輪が描かれており、少なくともそれ以前、江戸時代の築造と推測されています。
また、石積の様子から、瀬戸内地域の他の樋の輪と比較して、江戸時代の古い姿を残している可能性が高いと考えられています。
安芸津町の塩田の遺構はほとんど残っていませんが、その中にあって本物件は遺構と史料がともに伝来し、塩田の歴史を学ぶことができる貴重な事例です。

広島県安芸国豊田郡木谷村地籍全図(明治16年)の二馬手部分 ※図凡例の塩田部分を追加 北が上
基本情報
- 名 称 二馬手塩田跡 樋の輪(ふたまでえんでんあと ひのわ)
- 種 別 史跡(市指定)
- 員 数 1基
- 所在地 東広島市安芸津町木谷字西二馬手5686番 地先道路
- 指定日 令和5年7月27日
- 年 代 江戸時代


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更新日:2024年04月01日