令和5年度 第3回ひがしひろしまこどもエコ探検隊を開催しました!

更新日:2024年01月05日

第3回 アカトンボから学ぶ里山環境

「ひがしひろしまこどもエコ探検隊」は、こどもたちが
東広島市の環境を考えるためのきっかけをつくることを目的としています。
第3回の隊員は、市内在住の小学3~6年生のこどもたちです。
保護者ときょうだい、合せて20名の参加がありました。

第3回の講師は、広島市森林公園こんちゅう館元職員の坂本充さんです。


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テーマにある里山とは、集落や農地等に隣接し、燃料や木材、食糧などを供給し人々の生活と深い関わりをもってきた山すその地域です。

はじめに、講師から現在、SATOYAMA(さとやま)という言葉は世界に通じる言葉であり生態系において非常に重要なエリアであるという説明がありました。

その中でも、今回は皆さんになじみのあるアカトンボを通じて里山環境について学んでいただくことを目的として開催しました。

 

スタンレー電気株式会社広島工場さんには、場所を提供していただくなど、終始大変お世話になりました。

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まず、”アカトンボ”とは通称で、トンボ類の中でアカネ属に属するトンボ類を指すそうです。アカネ属はトンボ類のなかでも最も多くの種を含む最大の属(グループ)であること、日本にも約3割が定着し、広島県においてもその多くが定着しているというお話をいただきました。

加えて、多くの種類が水辺の微妙な環境を使い分けて共存しているという説明がありました。まさに多様な生息環境が多様な種を支えていると言えます。

講師の坂本さんは、昆虫館勤務時代から志和町のこの地でアカトンボの調査を長く続けてこられたそうで、だいたいどの辺でどういった種が見られるかについて説明をしてくださいました。

 

しっかり事前学習をすませた後は、実際に野外に出てトンボを探します。

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周囲には田んぼが拡がっていますが、稲刈りは終わっていて、水もありませんがほんの少し水が残っている田もあります。この環境を利用する種もあって、大切な環境なんだそうです。

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周辺には農業用のため池が点在します。1つ目のため池周辺に到着です。このため池は林に囲まれた場所にあります。講師の話に登場したアカトンボが実際に飛んでいます。網で捕まえて、説明を聞きます。マユタテアカネが多く、実物を見ながら名前の由来や水辺のどのあたりを利用しているのかなどを教えてもらいます。名前の由来は、顔面にある黒い点をマユに見立てたそうです。

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2つ目のため池周辺は、田に近い開けた場所にあります。1つ目のため池とは別の種のマイコアカネが多くなります。場所は少ししか離れていませんが、環境が少し異なることで見られる種が異なってくることに参加者も驚きと関心を持って聞きます。

名前の由来は、舞妓(まいこ)さんがおしろい化粧をしたように顔が白っぽいことからだそうです。

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3つ目のため池周辺は、付近に別の池があり水辺にはガマなどが生えています。それらを田と見なして産卵するナツアカネが見られました。真っ赤なトンボです。

このように、同じアカトンボでも様々な水辺環境を利用して共存していることがわかりました。

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現地学習を終えて、再びスタンレー電気株式会社広島工場に戻ってまとめを行います。

今日見られたアカトンボとその周辺環境について学びます。人間が田んぼで稲を作り、水を利用するためにため池を作った結果、その周辺の林や水辺(里山環境)を多種多様なアカトンボが利用して暮らしていることを学びました。

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アカトンボと聞いて、皆さん最もなじみのある種はアキアカネではないでしょうか。残念ながら、今回姿を確認することは出来ませんでした。アキアカネは当たり前に飛んでいると感じていた参加者も多く驚きです。

アキアカネは現在、広島県では準絶滅危惧種に指定されています。原因としては、田で使用される農薬だそうです。

稲の箱苗に使用される特有の農薬などが原因で植え付け前に死滅してしまうそうです。お米は私達の生活に欠かせない主食であり、農家の方の努力と愛情を背に成長し、収穫されて私達の生活を支えてくれています。一方で、面積が広い上に害虫の標的となることも多く農家の方の苦労は計り知れません。消費する側の私達にも考えさせられるお話しでした。

逆に耕作放棄地などで生き残るケースがあるそうで、改めて多様な生息環境が生態系を支えていると感じることが出来ました。学習と実体験を通じ、里山の多様な環境について感じたことや調査結果から、興味や関心を持つきっかけにしてもらえたら嬉しいです。

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