登録有形文化財 保手濱家住宅主屋
江戸末期から明治前期の町家の変遷を伝える建築

保手濱家住宅主屋は、白市の中心部に位置する明治17(1884)年建設の町家です。
小間物屋に始まり、昭和50年代までは駄菓子屋を営んでおり、地域の住民に広く親しまれてきました。
江戸時代のこの場所は、南に隣接する敷地とともに木原氏の一族沼田屋の屋敷地で、その敷地が分筆されて保手濱家の所有になったと考えられています。
主屋は街路に西面して建ち、つし二階建の切妻造の町家です。外観は、大きく張り出した庇(下屋)と、庇に比べてこぢんまりとした2階に大きな特徴があります。母屋の幅は2間(約3.64m)で、2階は母屋の幅に規定されています。庇は東西両面に付けられており、これによって住宅の床面積が確保されています。
保手濱家住宅は明治前期の建築ですが、江戸時代の白市の絵図などから、江戸時代の白市の町家の影響を多分に受けている可能性があります。
かつては玄関から通り土間(現在は廊下)が東西に通り、土間の北側が接客空間、南側が生活空間とされていました。主屋の奥に角屋(つのや)を設け、台所機能を受け持っていましたが、年代的には新しいものです。
西条盆地の町家の変遷を伝える町家として貴重な文化財です。
※本施設は民間所有の町家であり、通常時非公開です。通常時の見学は外観にとどめ、所有者にご迷惑をかけることがないよう注意してください。

保手濱家住宅配置図
基本情報
- 名 称 保手濱家住宅主屋
- 種 別 登録有形文化財(建造物)
- 員 数 1棟
- 所在地 東広島市高屋町白市1047-1
- 指定日 令和4(2022)年2月17日
- 年 代 明治17(1884)年
白市に関する文化財
この記事に関するお問い合わせ先
生涯学習部 文化課 文化財係
〒739-8601
東広島市西条栄町8番29号 北館2階
電話:082-420-0977
ファックス:082-422-6531
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更新日:2025年06月02日