登録有形文化財 大藤家住宅主屋、他3件
昭和初期の町の繁栄を示す旧酒造業の店舗兼住宅
大藤(おおとう)家は大正年間に創業した焼酎製造によって財をなした旧酒造家で、最盛期は数百石程度の造石高があったと伝えられます。かつて賑わった5月の白市の大市では、住宅前に出店を出して「味醂粕」を販売し、白市名物として人気を博したといいます。
大藤家住宅は主屋、離座敷、釜場、土蔵で構成されます。
白市の昭和初期を代表する住宅であり、ユニークな建物配置とあいまって、白市における特色ある建築として貴重です。
※民間所有の町家であり、通常時非公開です。
通常時の見学は外観にとどめ、所有者にご迷惑をかけることがないよう注意してください。
大藤家住宅配置図
登録有形文化財 大藤家住宅主屋
本町の街路に東面して建つ、2階建入母屋造の旧酒造業の店舗兼住宅です。
1階が生活空間、2階が接客空間です。
2階に二間続きの端正な座敷を配置し、南側に廊下を配置しますが、この廊下に当初は戸・障子を設けず雨戸のみを設け、きわめて開放的な造りとしていました。
1階の南側の通り土間沿いの壁面にガラス窓をはめ、採光を強く意識しており、建物全体が開放的で明るい造りになるよう配慮されています。
大正末期から昭和初期の開放感をよく表した建築であり、白市の昭和初期を代表する町家として、また、白市の表通りと小路である「西の川通り」との交差点に位置する、白市の景観上においても欠くことのできない要素として、重要な建築です。
※本施設は、通常時非公開です。
基本情報
- 名 称 大藤住宅主屋
- 種 別 登録有形文化財(建造物)
- 員 数 1棟
- 所在地 東広島市高屋町白市1055
- 登録日 令和4(2022)年2月17日
- 年 代 昭和4(1929)年頃
登録有形文化財 大藤家住宅離座敷

主屋の西に建つ2階建の片入母屋造の離れで、主屋と2階建の渡廊下で接続しています。
1階は事務室と作業場、2階は東西の続き間の座敷を配置します。
このうち西室に床、違棚、付書院を設え、端正なつくりの座敷が特徴的です。
昭和初期の地方資産家の座敷形式を伝える点でも貴重な文化財です。
※本施設は、通常時非公開です。
基本情報
- 名 称 大藤家住宅離座敷
- 種 別 登録有形文化財(建造物)
- 員 数 1棟
- 所在地 東広島市高屋町白市1055
- 登録日 令和7(2025)年3月13日
- 年 代 昭和4(1929)年頃
登録有形文化財 大藤家住宅釜場

主屋の北西のかつて酒蔵であった区域に残る、酒造業用の釜場です。
平屋建切妻造の東西棟で南面東寄りを吹放ちとします。
内部は東側から酒粕切場・釜場、薪置場など並べ、いずれも土間で上部にキングポスト・トラスの小屋組を設けています。
醸造用の半地下の釜場などが残っており、かつての酒造業の様相を伝えています。
※本施設は、通常時非公開です。
基本情報
- 名 称 大藤家住宅釜場
- 種 別 登録有形文化財(建造物)
- 員 数 1棟
- 所在地 東広島市高屋町白市1058-2
- 登録日 令和7(2025)年3月13日
- 年 代 昭和4(1929)年頃
登録有形文化財 大藤家住宅土蔵

主屋・離座敷の西側に建つ、2階建切妻造の家財蔵(土蔵)です。
2階上部に二重梁のある和小屋で、柱や梁は全体に細目であり、角釘を用いています。
窓の少ない重厚な外観で、敷地西方の歴史的景観を形成しています。
※本施設は、通常時非公開です。
基本情報
- 名 称 大藤家住宅土蔵
- 種 別 登録有形文化財(建造物)
- 員 数 1棟
- 所在地 東広島市高屋町白市1055
- 登録日 令和7(2025)年3月13日
- 年 代 江戸末期
白市に関する文化財
この記事に関するお問い合わせ先
生涯学習部 文化課 文化財係
〒739-8601
東広島市西条栄町8番29号 北館2階
電話:082-420-0977
ファックス:082-422-6531
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更新日:2025年06月02日