特集 つなぐ、つづく。東広島 文化継承
周囲を見渡せば、次々と生まれる新しいモノであふれ、ともすれば古い価値を見失ってしまいがちです。しかし、未来に向けて、持続可能なまちをつくっていくためには、環境や人権に配慮した一人一人の思い、そして行動が必要です。
今月は「つなぐ、つづく。東広島」と題して、実際に行動を起こしている4つの取り組みを紹介します。東広島市のやさしい未来のために、共に考えてみませんか。
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大人顔負けの演技
小学生の子ども神楽
河内町小田では、江戸時代から神楽の愛好者が集まり、祭りの際に神楽舞を奉納していたと伝えられています。小田神楽の保存・継承のために、現在は10人が活動。昭和53年から、地域の歴史や伝統を子どもたちに伝える取り組みとして、河内小学校の6年生に神楽を指導しています。毎年、夏休みの終わり頃から週に2日ほど練習し、秋の八幡神社の大祭で子どもたちも舞を披露しています。
「小さい頃から上級生が舞っているのを見てずっとやってみたかった。節を覚えるのは大変だけど、上手にできるとうれしいし、楽しい。だから、これからも神楽を続けていきたいです」。そう話してくれたのは、最年少である河内中学校1年生の土肥大輝くん。小学5年生のときに神楽舞を演じ、「もっと難しい演目もやってみたい」と、その後も一緒に活動しています。この日演じた「悪魔祓い」の猿田彦は、開運・道開きの意味を持つ縁起よい舞。長刀の捌きもさることながら、口上(台詞)も、大人顔負けの堂々としたものでした。
目指すは100年
地域の神楽を次世代へ
「子ども神楽は後継者育成の意味もありますが、神楽に触れて、ただ好きになってくれたら、という思いで続けています。いつか地元を離れても、『お祭りに神楽を見に行こう』と、家族と一緒に地元に帰ってくるきっかけになったらいいと思うのです」と代表の宅永和伸さんは微笑みます。小田地区で子ども神楽がはじまって今年で43年目。これから先、50年、60年、100年と、伝えていくことを目指します。
小田神楽…昭和49年に河内町無形文化財に、その後、合併後も継続して市重要無形民俗文化財に指定。備後神楽の流れをくむ小田神楽は、“語りの神楽”と言われるほど、歌や台詞が多いのが特徴。漫才のような掛け合いが楽しい演目もある。
神楽には台本もありますが、それを読むだけでは分からない、口伝で伝承されてきたものがたくさんあります。そういった大切な部分は変えることなく、でも演じる人たちで、こんな演技を取り入れてみようこんな台詞を取り入れてみようと、そんなことを話すのも楽しい。子どもたちにも伝えていきたいですね。
代表 宅永和伸さん
東広島市文化財保存事業
東広島市指定文化財に対しては、文化財継承のための人材育成や研修会などについて、市から補助しています。また、指定文化財となっていないものでも国や民間団体の補助が受けられる場合があります。
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更新日:2020年02月25日