特集 つなぐ、つづく。東広島 空き家活用

更新日:2020年02月25日

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譲り受けた前坂成哲さん(左)と空き家の持ち主だった藤井公夫さん(右)

築90年の元文具店
面影残し漆工房へ

 福富町下竹仁に建つ、築90年の古民家。「元々は『藤井商店』の屋号で、祖父が桶屋職人、父が文具店をここで営んでいました。前面がガラス張りの商家造りで、住居として貸すことが難しくて…。15年ほど空き家となっていて、以前から地元の地域センターに相談していました。そんなとき、前坂さんがこの家を気に入ってくれて、外観はそのまま活かしたいと。生まれ育った家ですので、その面影を残しながら使ってもらえると聞いて、とてもうれしかったですね」と元の持ち主の藤井さん。

 岡山県新見市で漆芸家として活動していた前坂さんは、長男誕生を機に妻の実家がある東広島へ。工房を開く場所を探している時に、東広島定住サポートセンターを通じて空き家バンクを知り、自宅から車で5分ほどのこの家に出会いました。「初めて見た時、懐かしいけどどこか面白くて、漆のイメージにも合うと感じました。文具店だったと聞いて、きっと地元の人にはとても思い入れのある場所に違いないと思ったので、ガラリと変えてしまうことはしたくなかったんです」。

 様々な人の思いを汲み取りながら大切に改修し、2月11日、漆作品の創作を行う工房兼ギャラリーとして、プレオープンを果たしました。今後は、木彫や金継ぎのワークショップも行い、漆の素晴らしさを広めると共に、地域に貢献できる場を目指します。

 今、全国的に広がりを見せる空き家問題。単に撤去して終わりではなく、有効活用することで、地域の活性化にもつながります。

藤井さんと前坂さんの写真今では親子のような関係に。「藤井さんが僕の紹介を兼ねて一緒に近所周りをしてくれたおかげで、すぐに地域の皆さんに受け入れてもらえました」


備中漆を使った作品に取り組んでいる前坂さんの写真備中漆を使った作品に取り組んでいる前坂さん。「将来は、福富の地に漆の木を植栽して地域に根付かせたい」と話す

東広島市空き家バンク

 「利用してほしい」空き家の情報を、空き家を「利用したい」人へ提供することで、空き家を資源として有効活用することを目指す制度です。空き家バンクに登録された空き家に関する補助金制度もありますので、詳しくはお問い合わせください。

空き家バンクのウェブサイトhttps://akiya-bank.fudohsan.jp/html/higashihiroshima.html

東広島市文化財保存事業

空き家改修補助金

 志和町、福富町、豊栄町、河内町、安芸津町の区域の空き家を対象に、自ら居住する目的で改修する者に対して、経費の一部を補助します。

家財撤去補助金

 志和町、福富町、豊栄町、河内町、安芸津町の区域の空き家を対象に、保管されている家具その他の処分をする場合に、経費の一部を補助します。

登記支援事業補助金

 市内全域の空き家が対象です。空き家バンクに登録された空き家で、相続登記などがされていない空き家の登記更新費用に補助金を交付します。

問い合わせ先

住宅課 ☎(082)420-0946

この記事に関するお問い合わせ先

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東広島市西条栄町8番29号 本館5階
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